2017年 6月

 1(木)
春先土を耕していると、まだ眠っているカエルに出くわす。地中深くではなく 殆ど地表という辺りで眠っているようだ。ゴメンよ起こしてしまったなあ、まだ寝るか?と軽く土をかけてやるが起こされて怒ったりしないで又眠るようだ。雨降りでは大合唱になるが、普段は暗くなるまで静かにしている。ほんのチョット土にモグッタ状態で長い冬の間寒くないのだろうか?草むらには緑色のちっちゃいかえるがぴょんぴょんしているが、水が入った田んぼの中で鳴くカエルは冬の間田んぼの中で眠るのかあ?ここいらには鳥のような鳴き声のカエルもいる。始めて聞いた時は正体不明だったが、突然大きな声で鳴く様子は笑いを誘う。雨の様子と鳴き声をじっくりチェックしようと思っていると、突然雷がなりザーっと降ってきた。長くは降らずに雷鳴も遠くへ行った。鈴の音のようなカエルの合唱だ。鳥のような声のカエルはまだ鳴かない。あっ鳴きだしたぞ、ギャッギャッと不思議な声だが嬉しそうだ。


 6(火)
肌寒い日がつづいたが今日は陽射しが野菜や花たちに暖かい有難さを届けていた。夕方になって日陰になると途端に風が冷たい。玉ねぎの一番大きく育っているのを見ていると『美味しくなっているよ』と微笑んでくれる。よく大きくなったなあ、食べてイイかい?という問いにマタマタ微笑。抜いて一皮むくと瑞々しい白。サラダで頂戴しよう。☆花壇の一輪草の株が大きくなっている。愛らしい花の時期も長いようだ。お陽さんを浴びて元気に育っておくれ。新たに二株植えたブルーベリーも花が実になったので全部落とす。木を太らせるため食べたい気持ちを抑える。前回の小さな株に実を付けさせたので、その後かわいそうに弱らせてしまった。今回は有機質肥料をたっぷりほどこした。裏の林の向こうの丘の影の部分が更に広がり急に寒くなった。家に入ろう。


 8(木)
雨が止んで気になっていた図書館にある『ゆいのき』の花を見に行った。ローカルニュースで咲き始めたと聞いていた。岩手に来てから知った『ゆりのき』、盛岡で見かけたが東和の図書館に咲く花を地元の方に去年教えて貰った。高い木に咲くのでオイラの目で確認できるかと思いながら見に行って逢えた、ナントも幸運だ。☆同世代の方達と歌う機会があり楽しい時間をすごした後なので『ゆりのき』の花に出逢えて、今日はイイ日だと感激。早池峰に住む友人に逢えたしイイ日だった。天気予報通り朝から雨が降って昼頃からは降ったり止んだりの天気だったが美味しい昼ご飯につづき元気な歌声とご一緒にイイ音楽が展開したし、帰りの路地裏で美味しい珈琲にも出逢えた。


12(月)
梅雨に入ったのかい?どんよりした空だ。緑が増えた裏の林で小鳥がチュンチュン歌っている。トム&ジェリースのアルバム音源に季節の移り変わりをSE(効果音)と歌詞でつづっている一枚があり、その中の楽曲を編集している。作詞は片桐和子さん、オイラが曲を書いた♪大安吉日♪、録音の当日ディレクターのひのきしんじさんからスタジオで「今日は弦楽四重奏が来てダビングするからアレンジをよろしく」と云われ「え〜っ今から弦楽四重奏ですか!」と慌てた。第一、第二ヴァイオリンにヴィオラ、セロ・・・弦楽四重奏なんかアレンジしたこともない、大体ヴィオラの譜は中音部記号だよなあ、と呟きながらギターケースから五線紙を取り出しスタジオに座り込んで書いた。するとクァルテットがスタジオ入り。あんまり時間ないから直ぐ録りますだと。録音したばかりのテープを流して途中から四重奏が加わる。二つ三つテイクを録るとディレクターがオイラに向かい、どうだい?と問いかけてくる。その頃CMソングを歌い始めていてテイク2か3でOKをいただいていたのでOKですと応えた。それがこの音。モズが鳴きながら左から右へ飛んでゆき楽曲が始まる。そのモズの鳴き声に小鳥が反応して林から窓辺に来て『オイラ達の縄張りだよ』と主張。どんより空から雨粒が落ちてきた。


18(日)
パセリも元気だ。肥料というより土の状態を良くする牛糞、今年になって二袋目を各野菜の周辺に梳き込んだ。例年だと化成肥料に頼っていたが有機肥料の方が味や香りに良い影響があるようだ。続いて草取り。畑仕事の合間に工房に戻りパソコンに向かい音源編集。22000ヘルツ以上の超高域のマイナス影響が思いの外大きい様だ。無駄なエフェクトを削る作業を始めて一年以上になっても終わることがない。そしてトムジェリの音源では『トムジェリの音』に近づくようである。ある音域を抑えると、それまで聞こえなかった部分が現れ興奮している。☆化成肥料への思い込みは、オイラのデジタルによる過度な編集と相通じると思っている。


22(木)
昨日だか東北地方が梅雨入りしたと云う。ナンだかずっと前からのように感じている。野バラとスイカズラの陰が気に入ったらしい『うるい』。昼過ぎから陽に当たて株自体が一回り大きくなっている。茗荷の方に取り残してしまった一株も元気でいる。梅雨入りした昨日は雨だったが今日は陽射しがあって気持ち良い。水路の斜面に生える草を刈ってカボチャ、ズッキーニ、里芋達はじめ、畑の野菜達に朝日が当たるようにした。野菜達への朝日の力は絶大なのだと。前回は鎌で刈ったが、今日は柄のついたハサミ。土手の端っこ座り込んでかった。昨日の雨で湿った地面だが我慢して水路に落ちないように足を延ばして刈っていると、ゲロゲロカエルが鳴く。草が陰にならないよう刈ってるだけだ、危険はないよ、と伝えると静かになる。


24(土)
午後アントニオが修理から戻ってきたギターを見せに来た。中古店で見かけて手に入れるまで紆余曲折があったようだ。元々クラシックギターは毎日弾いているが数年前からフォークギターを弾きながら歌いたくなり『庭の草取りをするからギターを教えてほしい』と云い出した。共通の友人の娘さんの結婚披露パーティーで音楽をプレゼントした。その中に彼が好きな二ール・ヤングの曲があり、一人でもあんな風に弾くスタイルを学びたくなり、うちの草取りをやりだしたのです。今回手に入れたギターのオカゲでその時の想いが再燃し、彼の英語教室の生徒と一緒に歌うんだと仰る。ピート・シーガーの子供向けのアルバムの中の曲を弾いて歌えるようになりたい。そんな話しの合間に、生れ故郷の東京を離れてさみしくないか?とかオイラが音楽の道に入ったキッカケは何だ?とか、随分話しこんだ。立派な日本語だが微妙な表現になると英語になる。オイラの英語の勉強だあ。楽しい時間だった。


25(日)
気温は上がらないで湿度が非常に高い。里芋の葉に水玉ができている。ほんのチョイとだけの雨がシズクになって世界を閉じ込めたようにひかっている。裏の林にウグイスの新人が来ているようだ。いつものウグイスの鳴き方でなく、如何にもル―キーという感じだ。蒸暑いので窓を開けて音源編集していると、林の中から窓辺にやってきて音源の音に対抗するように鳴いて、林に戻っていった。すると他の鳥たちがグループで窓辺にやってきて一斉に鳴いて林に戻る。林の中のメンバーは一定ではないんだなあ。☆いつだか窓の直ぐ傍にやってきたカモシカ、どうしているのか?ついこの間、その通路にバタバタした足音が移動していった。此処は狸も歩くらしいから、オイラの音源を聴いているのかもしれない。