3(月)
長ネギを半分植え替えようと畑に入るとオオイヌノフグリが咲き乱れている。春一番の花盛り、暫し観賞。この花はホントに愛らしい。スコップを担いだまま見惚れている。さて気分を引き締めて葱の根を傷つけないように掘り起こし、抜くと根がビッシリからまり合って土を掴んでいる。ほぐすのに一苦労するほどだ。寒い冬の間、仲間同士からまって頑張ったんだなあ。茎を2p残し切り取り、スコップで深いミゾを掘り、底に置き、ほんの少し土をかける。茎から新しい生命がのびてくるの待ち少しづつ土を寄せてゆく。茎2pで切り取ったものは美味しく頂戴する。これが旨いのさ。ミゾを掘り起こした土の陰でオオイヌノフグリの花がニコニコしている。その風情がオイラのこころをあったかくしてくれる。逢えて嬉しいよ。今日の畑の作業はお・わ・り。
4(火)
昨夜の天気予報で霜注意報がでていたので今朝植え替えた長ネギの状態を見に行く。元気にしている。安心する。今年はすでにジャガイモの種イモを用意しているのじゃ。☆農作業は八重の桜が咲いてかららしいが、少し早めに始めようと思って買い求めてあるのじゃい。畑に展開する野菜のレイアウトを思い浮かべニタニタしていると、裏の林でうぐいすが鳴き始めた。その歌声には思わず拍手したくなるような響きだ。風はまだ冷たいが陽射しは春そのものだぜ。まったく嬉しくなる歌声。☆去年の里芋がとても美味しかったので、今年は倍の20の苗を育て、美味しく頂戴しようと目論むが、畑はそんなに広くないので思案していると、うぐいすが歌声が更に大きくなり林に響く。
5(水)
いま編集中の楽曲はジェームス・テイラーがカヴァーした♪Handyman♪、壊れたハートになってしまった娘たちよ、私ぁ元通りに直してあげるから・・・と歌っている。この楽曲をギター二本、ベース、コンガ、タンバリン、ハーモニーコーラスで構成した。超高域にタンバリンのベルを響かせているが、タンバリンの存在を意識し過ぎていた。それでなくとも無駄な色付けが聞きにくい音にしていたんだぜよ。そこいらを削り取ったら、自然にタンバリンの音が表れてきた。タンバリンのベルは無駄にほどこした超高域にかくれていたんだ。☆馴染みのシャガレカラスの声だって超高域をもちあげたらシャカシャカ聞こえてしまう。そういうことを教えてくれるシャガレカラス、オイラの教師だ。
6(木)
時々風がピューピューと音をたてている。冷たくない、やさしい風。昼から雨の予報がでているので、音源編集の合間に今日も長ネギの植替え。畝が曲がらぬように長〜い支柱を地面に置いて土にまっすくシャベルを入れ、次に斜めに掘る。一昨日の畝は曲がっちまったんだ。昨日は曲がらないように気を付けたが曲がってる。だから今日は頑張る。長ネギが土の中で寝っころがれるように。岩手に来てから知った美味しい『曲がりねぎ』。白い部分は土の中で、葉の付け根から立ち上がる独特の栽培法だ。東京で馴染みの『根深ねぎ』は深く掘らねばつくれないが、岩手の『曲がりねぎ』はオイラでも掘れる深さで、曲がって育つことで甘みが増すのだぜ。一月に植えるじゃがいもはお陽さんに当てて芽を出させている。初めての試みだ。雨に濡れぬように取り込んでおく。
9(日)
今日も♪Handyman♪の編集をつづけている。どうもすっきりしない。低音域がまだ邪魔しているのだ。そもそもこの音源は最初ベースが無かったのだ。『ウッドベースをダビングを加えた』意識が強くもち過ぎたので、低音域を残し過ぎたようだ。スピーカーを鳴らすエネルギーが大きい低音域を削ると音源が軽くなり音量も上げられるのが判っているが、必要最低限の低域部分の在り方、こいつが意外と難しい。低域を削り、中域、高域とのバランスを整える作業がつづく。直ぐに耳が疲れる。畑に出て植え替えた長ネギの地上部がひょっこり起き上がっているのを見ながら田園にひろがる様々な音を聴く。スピーカーの台にしていた文庫本を除けたので、音をチェックするにはテーブルぎりぎりまで屈む。これをつづけているので筋肉痛。腰をもみながら遠くから届いて来る自動車の走行音に混じって裏の林でウグイスのさえずり、そよふく風に乗って元気な子供の声が届いてくるのに耳をかたむける。牛乳をあたためカフェオーレをつくり工房に持ってゆき、田舎の静かな音を聞きながら更に耳を休める。
10(月)
畑にとってもちっちゃく愛らしい花が咲いている。カメラに収めてパソコンで拡大して見た。花びらがひらひらしているかな。白くて小さい。例によって名が判らない花達には『フローラ』と一度呼びかける。殆どどんな形さえ見えないけど、花の精に『フローラ』と呼びかけてカメラを向ける。☆植え替えた長ネギの葉がどんどん起き上がっている。風は冷たいけどあったかい陽射しが大好きなんだなあ。ウォータークレソンを水路の土手で育てようと思っているけど、湧水のような奇麗は水じゃないと難しい、と云う人もいる。ダメモトで種子を播いてみようと思う、と今日出逢えた白くてちっちゃい花に相談したが微笑むだけだ。
21(金)
昨日ブログの更新をしようとして、トップのページを削除してしまいました。新たに作ろうと記憶をたどりましたが苦戦してます。最終更新日の文字の移動とカウンターの表示ができなくなりました。時間をおいてトライしています。
ご近所の花を見ながら歩いたら、桜は勿論、梅やレンギョウ、モクレなど咲き始めてました。一度に咲くなんてもったいないと思うが、ナントも豪華な春の訪れ。
22(土)
あったかい陽射しに裏の林のウグイスが明るく歌っている。今日はアチコチ移動しながら歌声を届けている。花壇の一角にムスカリが群がって咲いている。引っ越してきたときに蒔いたムスカリの種子、一か所に植え直したので青が鮮やかだ。ミョーガの領域が拡大したので花壇に引っ越したウルイがかわいい芽を出している。ニンニク、玉ネギの葉も順調に伸びている。☆トップページのカウンターは未だに表示できない。最終更新日の文字が移動するようになった。移動させるタグを思い出すのに一苦労、今朝やっと思い出した。午後になるとウグイスも休憩のようだ。
24(月)
早池峰はまだ白い姿だが、里は春らしくなるにつれ、うちの畑は小さな花のざかり、草丈も伸びている。もう少し植替えする長ネギがあり、傍にはパセリが芽を出してきた。このままだとちっちゃい花の群に埋まってしまう。いよいよ草むしりや幾種の野菜の植えつけの準備をしなければならない。カッコーが鳴き始めたら農作業の開始だ。しかしこの辺りではカッコーは住んで得ないのだ。八重の桜の開花が農作業開始の合図なのだ。田んぼでは田起こしのトラクターが忙しく動いている。気合いを入れて草をむしる。膝が痛くなると地面に腰をおろして。あっと云う間に伸びた草は数日干して土に梳きこむ。又来年咲くんだよと声をかける。裏の林のウグイスはホーホケキョを高らかに歌い、キョキョキョ・・・チョピチョピ、という新しいフレーズに取り組んでいる。☆そうそう5月3、4日は土澤アート・クラフトの市がたちますよ。是非ともお出かけください。
26(水)
昨日は気温が上がり岩手の花は一気に咲いた。野の花や桜の名所といわれる処の様々な花の盛りが。風に乗った梅の花の香りがかぐわしく、オイラの視野に入らぬ花々の美しさを推し量ることができる。花の香りの力だ。その香りが寄せてくる方向に急な上り坂があってもモノともせずに足をはこび、花の盛りの香りを堪能する。おかげできょうはけっこうな筋肉痛。でもその反映が音源の編集にあらわれている。華やかに響く音域を少し抑えながらもしっかり存在される。こんな微妙な色付けをほどこす力は自然の佇まいから学ばなければできることではない。偉大なお手本に出逢えたということだと思う。
29(土)
長く厳しい冬。そして生命が一度に動きだす岩手の春。そのエネルギーの大きさに圧倒されながら音源の編集。窓を少し開けて外の空気を入れながら。編集を重ねるにつれ少しづつ何かが判りはじめる。各楽器が重なる部分を程良く抑える作業が必要になる。必要以上ほどこした低域を削るのに一年くらいかかり、今は中音域、高音域の整理をしている。余計にほどこした部分を整理すると、透明感のある音源になるようだ。低音域も中音域も、おまけに高音域も必要以上に色付けをほどこしていた。本当に大事な音とは何か、少し判ったようで嬉しい。節度ある編集ってことかなあ。大型連休の間に田植えをする処では準備で忙しそう。夕方までトラクターが動いていた。昼間静かだったウグイスが開けている窓に近づき、オイラの音源に対抗するように歌っている。此処はオイラの鳴く場所だよ〜と主張している。寒くなってきているんだ、窓を閉めよう。
30(日)
昨日につづき畑の土の天地返し。ジャガイモを庭に植えることにしたので、連作障害のないように野菜が育つ場所を変えようと思う。里芋が増えるが他の野菜は例年通り、ピーマン、茄子、トマト、カボチャ。空く処にスイートバジル、パセリ、サニーレタスかな。空高くトンビの声が聞こえる。小鳥たちの声は林の方向。今朝はウグイスの声がしない。工房の窓からもれる音源はウグイスに敵対するもんではない、そして君の歌声を大いにたのしんでいることを伝えたい、と畑の土を起こしながら考える。『土起こし』は直ぐに疲れる。スコップを土に斜めに差し込み、スコップにのった土をひっくり返すだけだが、直ぐに疲れ、工房に戻り編集をつづける。気になる部分は殆ど音量を下げる程度。汗がひいてきたので畑に戻る。