2015年4月

 1(水)
昨日、生まれたばかりの長女の三番目の子に逢いに息子の車で出かけた。東和町から遠野、住田町、陸前高田。『奇跡の一本松』を臨む処で車を止めると『カフェやぎさわ』とあるではないか。ケータイで電話するが留守電状態、高田に来ているの御都合が良ければ逢いましょうと告げケータイをポケットに入れてると、なに〜高田の何処にいるだい、と八木沢商店の河野さんのガラガラ声が聞こえる。新しい社屋の場所を伺い、お会いした。4年振り以上だが、元気そう。久闊の挨拶はそこそこにし、息子を紹介。息子の後ろにいる孫娘を指さし「河野さんが『ちょっとでいいから抱っこさせて下さい』と手を伸ばしていた、あの子ですよ」と云うと、目を丸めていた。あたらしい会長室を見てくれよ、と案内されお邪魔する。津波で壊滅して以来を熱く話していただいた。アッと云う間に2時間ちかくが過ぎていあ。予定を過ぎても、まだ来ぬのを心配して娘から電話。とんだ長居を詫びお暇する。☆あたらしい仲間の赤ちゃんはお兄ちゃん、お姉ちゃんの騒がしい声をものともせずに睡眠中。そのうち起きたのでカワリバンコで抱っこ、可愛い〜を連発。一ノ関周りで帰ってきた。


 2(木)
お前、オレより年上のようだなあ、と驚くことがあるんじゃ。孫娘が大人っぽい口をきく。以前は音源編集をしていると近くに来なかったのだが、最近はいつのまにか傍に立ち、『何だ?』と振り返ると、えへへと肩をすくめ工房をあとにを繰り返している。☆この間のドライブで遭えた山影に咲くかたくりの花、かな。東和にもカタクリや福寿草が静かに咲く、お気に入りの場所があるのだが、運転免許をかえしたので、なかなか行けない。歩くと2時間以上かかる距離。のんびりと足を延ばすのもイイなあ。でも無理かなあ。☆家に遊びにきた孫娘は外で飛び回りたいようで、コミセンの広場へつきあった。走り回ってご機嫌になり『小腹(こばら)すいたなあ(=チョッとおなかすいた 多分岩手の方言か)』などと云っている。


 3(金)
午後には暴風雨になると予報がでているので早目に新しく咲いた花を探してみる。ムスカリがヒョコヒョコと咲いている。誰かが『ブルーベリー草』と云ってたなあ。そこで毎年飽きもせずにジョルジュ・ムスタキっぽい声色で挨拶。もこの可愛いムスカリが去年の出来事を憶えているなら「なんで、別の人の声をするの?」と首をかしげることだろうな。裏の林では風がうなっている。この丘に林がなければ、勢いよく吹き抜ける処、林に住む動物たちも『きょうはスゲ〜風だぜよ』と云ってるだろう。☆後ろの林は南北に広く、カモシカ、キツネ、タヌキや鳥たちが棲んでいて、時々顔を合わせている。タヌキ、キツネは夜に出歩いているがカモシカとは昼間、音源編集中に工房の窓越しに遭ったことがあるんだよ。オレもカモシカもビックリ仰天、逃げたカモシカは20m離れて、別の窓から覗くオレを立ち止って、ジ〜ッと見てたっけ。★春の息吹を感じていると最近のお気に入りの ♪Comes a Time♪ のサウンドが響いてくる。そうそうラテン・パーカッションのカバサも鳴っていたなあ。♪Harvest Moon♪でも、ヒッソリと効果的に使われていたカバサ。池袋の楽器店で売り場のギャルにロールを教えてもらったなあ。


 5(日)
一週間前、産直の店先で思案していた。鉢に植えた福寿草を見かけたんだよ。この何年か東和町のお気に入りの場所へ出かけられないから、買い求め庭でふやそうかと見つめてた。そしたら先日のドライブで、やっと遇えた。時の神様のおかげだ。春先の黄色の花、クロッカスもタンポポ、福寿草のこの色はこころをあったかくしてくれる。時々初夏を思わせる陽気になって『なんだか変じゃ』と思うが、福寿草に遭えたのは、とてもうれしかったぜ。ヤッパリ庭に植えるのはよそう、山間で咲く姿がイイ。
★音源制作のモニタをほうほう』で使っていたBOSEにした。アンプはに十歳代からのもの。東京から持ってきたが電源もいれずにいたも。ちゃんと動くか不安だったが、思ったよりBOOSEと相性もイイようで繊細な音も再生できている。これは驚きだぜ。ボリュウムのつまみにガリがでてるが、よく生きていたもんだ。タイシタモンダ。


 7(火)
昨日のあったかい陽射しに誘われて、土の上に顔を出した春たちに近づいてた。アスパラガスを撮ったつもりだったがフレームの中には収まらなかった。☆夜中に雨がふったので土が黒いっちゅことだ。再度アスパラガスを撮るには絶好の条件と意気込んで外に出る。風がつめたい!アスパラの頭がはっきりと見える。多めに撮って、すぐ傍の菜モノも撮る。☆この菜モノの正体は既に判明しとるのじゃ。去年採り残した『暮坪』だぜ。中央に伸びた茎を切り夕飯の味噌汁に入れた。一口すすると辛味!!!こりゃあ暮坪だ、花を咲かせて種子を採ろう、と叫ぶ。☆さて、撮った画像をパソコンに入れ拡大、今回は成功!昨日より伸びている。アスパラにも撮影者にとっても有難い雨。紫がはいった青も撮れている。パソコンでブログ用に編集していると、クシャミ連発、風、冷たかったからなあ。


10(金)
ちょっと肌寒い日だった。朝から霧雨が周囲をかこむ山々を白く霞ませていた。このところ毎朝庭の小さな花を見て、しゃがみ込んでケータイのカメラを向けシャッターを切っているんだ。★午後ちょっくら歩いて買い物。輪ゴムだよ。輪ゴムなんて買ったことあるかい?なかなかないよねえ。でも買ったんだ。その時思わず口ずさんだ。♪輪ゴム マスター 急げよ 幌馬車〜♪、何故だか急に声が出て、我ながらおっかしくてさあ、暫く笑いこけてたよ。若い人には判らないだろうね。小坂さんの歌だぜ。笑いすぎて疲れてた。実に。★今朝の画像を夕方、パソコンに取り込む。ケータイのバッテリーを抜きSDカードを入れ、画像をカードに移動し、さらにパソコンに移動。これを編集して眺める。ムスカリが咲き乱れた画像が巧く撮れてたので編集。手前に寝っ転がりたかったが、花壇の中なのでケータイのモニタの角度を変えてひっくり返して撮ったんだけど、こんなに巧く撮れ、嬉しいよ。なんだか疲れたあ。


12(日)
今日はあったかい。陽射しを浴びてアチコチにタンポポが咲き始めてる。随分と大昔から、大勢のひとたちの微笑みを受けてきたタンポポ。キミを見つけると誰もがうれしくなるのさ。畑には草むらと云っていいほど草が茂り、どっさりと花を咲かせている。桜が日一日と蕾をふくらませている。★東京では気温が此方と変わらぬ程寒いようだ。天候の変動で痛みがでる病の友人は大変だと案じている。☆こんどの火曜、雨の予報だが、お城の花を期待している。☆古いアンプのガリは少しづつ減っている。解体してクリーニングを試みたが途中で『感電したらヤバイ』と気付き断念。その分掃除機を『強』にして、全ての隙間から、思い切りゴミを吸引した。音源編集でパソコンに向かう時は、通電してすべての接点をオン・オフしたりグルグルして長いご無沙汰を詫び、回復を待っている。昔のアンプのあったかい音は久しぶりで快い響きだ、と聴いていると、時々バイクのエンジン音が届いてくる。風になって走る快感だろうなあ。オレ、昔バイクライダー。血が騒ぎよる。


13(月)
パソコンの音を外部スピーカで鳴らそうと思ったのは先日、八木沢商店の河野さんが使っていたのを聴いたから。☆70年台、オーディオでは大出力が流行していたが25w×25wの小型アンプで16pフルレンジのバスレフを鳴らしていた。今思えば『変わり者』だったのだろう。☆カフェほうほうで毎日営業時間中鳴らしていたBOSEが音源制作でモニタとして役立つとは思ってなかった。まずパソコンからオーディオインタフェイス経由で、店で使っていたアンプにつないだがNG。で、ダメモトで昔のアンプにしたらガリだらけで聴くに堪えない状態。、ガリが少なくなってから、いろいろのジャンル音源を聴いてみたらGOOD。小音量でもイイ。日ごとに雑音がでなくなり音量を変えて確かめているがバッチグーだ。


15(水)
今年初めてカエルの声を聞く 。★昨日、小学校でチャイムがなっているのを聞きながら駅に向かって歩いていた。入学したばかりの孫娘の新しい環境を想いながら。駅のホームから見渡すと遠くの山々が霞んでいる。館山の方で妙な鳴き声が聞こえる。?と耳を澄ます、ポテチ、ポテチと鳴いてる。幼いウグイスが頑張って鳴いているんだと気付いたのは大分あとになってのことだった。長くつづくホーのあとでポテチ、ポテチ、ウグイスだったんだ、と笑いの発作とともに頷く。まじめにポテチの調子を確かめるように何回も繰り返し、♪ホー ポテチ♪で一段落。こちらの笑いは大きくなるばかり。☆我が家周囲で鳴くウグイスの懸命さに微笑むことはあったが、たどたどしくポテチをうたいあげる努力にエールをおくりながら大爆笑だった。☆盛岡では、バスから見る石割り桜は満開のようだが、盛岡のお城の桜はもうちょい。しかし沢山の花が咲き競っていた。様々な色がイッパイ目に届いてくる。近づけない処に咲く紫っぽい色はナンだったんだろう。横にいる馴染みのレンギョウの奇麗な黄色が静かにうなずいてくれた。★チュピチュピと小鳥が、続いてキジが嬉しそうにうたっている。


16(木)
ウルイが芽を出している。花壇のギボウシより早い。それがナント地面にあった枯葉を突き破っているではないか。押しのけてっていうのは判るが、その凄い勢いを見入る。他の芽も何本かが突き破っている。こんなに枯れ葉に穴を開けるっちゅうのは芽が出る速度が速いのか?それとも先っちょが尖って鋭いのか?などと考えるが、地下鉄の人のように眠れなくなるといけないので、思考を停止。茹でて頂戴する味を思い浮かべる。辛子醤油かマヨネーズか?☆午後に買い物ついでに何ヵ所かの桜を見て回る。咲いてきた、こっちも凄い勢いだ。全体が見えないので何分咲きというのは判らないが、かなり咲いてる。紅が残る咲き始めの花は艶やかに微笑んでるようでもあるが、旨そうでもある。


20(月)
桜の花をゆっくり観賞するには、寒くて暗い、時折雨が降っている。ちょっと外に出たら鼻がむずむずし、クシャミ連発。花粉症になっちまったか?でも目はかゆくない。ついこの間咲きだしたタンポポが沢山の花を咲かせているのを見ていると、チュピチュピと繰り返す小鳥、ピにアクセントをつけて歌っている、どんな鳥だろう。裏の林では正統派のウグイスがイイ調子で歌ってる。☆ネギ、ニンニクが育っている。野菜の苗を植えるまで小さな花達をそのままにしてたら気持ち良さそうに茂っている。アスパラガスも出てきてる。八重の桜が散るまでに畑を整えなくっちゃ。☆youtubeでピックアップしたバッハの楽曲を聞きながら、連作障害の出ないような畑を考えている。お日様や土とのつき合い野菜を育てるってナカナカ奥深い。ご近所の先輩に教わりながら、今年も頑張ろう。いつしか二十歳頃から親しんでいるバッハの端正な音楽がこころに沁みてくる。イイものはイイなあ。


21(火)
オイラの目だと春の様々な断片から得たものを有難く感じながら編集した音源を、スピーカを変えたりヘッドフォン一にしたりして、聴いている。☆汽車の窓から観る景色のなかに素敵な色、それは近くでは感じられぬ何かが在る。先週お城の花を観てたが、妙にこころに届いてくる紫。八重の桜だろうかと幹を観ると白く桜でないようだった。今日土地のひとによrとツツジだとか。でも先週とは何処か異なる印象だった。一期一会か。☆日没ぎりぎりの刻に杖をついて歩いていると、山羊が小屋の壁を蹄で蹴り窓から無言の挨拶をしてくれた。ほら、山羊が観ているよ、と薄暗い光がやさしく山羊の存在を教えてくれたよ。


22(水)
畑の土の天地返しをしていてピンクが目についた。桃の花が咲きだした。・・・が木の半分には蕾さえ付いていない。去年何故だか葉が全部落ちていまったので心配していた。現状では三分の一の枝に花や葉の蕾がでているが、花を摘んだほうがよいのか迷っている。こんな時は自然にいきているひとたちに聞いてみようと、畑の隅の葉っぱや小さな花、庭の花達、大分伸びているウルイの葉っぱと順繰りに回る。少し時が過ぎれば、何か回答が届くだろうと思う。近くの公民館の桜も十五年以上元気がなかったが、今年は花を少し咲かせているからなあ。元気になるよう願ってみよう。カエルの小編成コーラス隊があちこちで『そうしましょう』って歌ってる。


23(木)
今日はアッタカイ。半袖ティーシャツで昨日に続き畑の天地返しをし汗をかいた。汗がひくまでの体温調節にチョイと歩く。コンペイトウの木がちっちゃくて茶色の花をつけていた。じょにこと歩いていた頃、大きくなった実を見て、勝手にコンペイトウの木と呼んでいたが、この花は見過ごしていた。☆午後は音源編集、耳が疲れたのでyoutubeでPeter Pauland Maryの♪Hurry Sundown♪を聞く。毎年畑の作業を始める頃に口ずさんでいる。特にスコップで重い土を返していると腕が張ってガチガチになり、腰も痛くなると、オレの勝手な解釈だと思うが♪my fles is bone now, my back is bowed♪と歌うだ。数時間経ってホントに腕の筋肉が骨にったようにコッチまって停止ボタンを押さずにいると65年のTVでのライブ音源が続いている。当時のTVだから勿論モノラル音源だが、素敵な演奏だ。


24(金)
昼には22℃になってウキウキするのは人間だけではないようだ。町のコミュニティーセンタのエントランスに、今年も燕がやって来て忙しそうに巣作りを始めている。三つの巣のそれぞれの補修のためか外から戻った燕は巣の中で作業する燕と会話も慌ただしく交わし、又飛びだしてゆく。オレの目でも燕の姿が見えたのでケータイのカメラを向けて待ったが、その姿は捉えられなかった。☆例年より渡ってきた時期は早いと思う。もう直に幼い子らの餌をねだる声も聞けるのだろう。外の広場には子供らが楽しそうに遊んでいて、芝生にシートを広げピクニックを楽しむ女子も楽しそう。


25(土)
のんびりとご近所散策。桜の花は散り始めている。車の運転をしていた頃は、遠くの山の色に目をうばわれていたが、歩いていると、それまで気付かなかった色が届いてくる。目立たない不思議な色をした白樺の花が風に揺れている。バッハのG線上のアリアが浮かんでくる風情。田園は春をうたっている。フジの花の蕾も目立たない色だ。白いボールをくわえたように見える、口の周りだけが白い真っ黒わんこのいる小屋に寄りかかっているフジは、この辺りでは一番に咲く。このフジが咲けば、アチコチの樹木にからまるフジが一斉に天に向かって薄紫色を登らせてゆく様は見事だ。東京ではフジ棚でしか見られなかったフジの花。頭の上を幼いトンビが何か訴えながら親トンビと共にくるくると飛行している。


27(月)
去年の秋野バラにからまっていたスイカズラを解いた。野バラは移住直後じょにこと歩いた処で見つけた、指先にも満たないちっちゃな苗だった。いつの間にかにオレより大きくなって、刈りこんだが元気に芽をだしている、スイカズラも。☆スイカズラの花の香りと佇まいに出逢う度に、何故かずっと時を遡った遠くの草原を連想する。そしてアイリッシュの古謡を口ずさむ。Down by the Salley GardensやWater is Wideを。スイカズラの英名honnysuckleのせいか可愛い子供らが花びらをくわえてチューチューしている光景が目に浮かぶ。☆スイカズラのしがみつく力。あの甘い香りを思い浮かべながら、口ずさむメロディー。
♪ down by the salley gardens, my love and I did meet♪


29(水)
長い厳しい冬が明け一気に春が広がってくると、土と向き合う季節が始まる。三十歳中頃に病気に倒れ、半年の治療を受けた。その時の医師からの助言、生き方と病の因果関係を想いながら土を耕し今年の豊穣を祈る。☆土に向か機会は、それまで知らなかった大きなものをモタラシテくれるように思う。音楽することから届くものを感じ生き方に反映する、それに似たようなものを土に生きるものたちから教えて貰っている。美味しい野菜を頂戴するだけでも、食いしん坊のおおきな歓びなのだが。☆去年とり残した『榑坪』カブは地中で冬を越し花を咲かせている。その可愛い花を見てると、その生命がつづくように手伝いたくなり種子が付くのを見守っている。


30(木)
昨日の草取りで筋肉痛を得て、ヤカンに湯を沸かしながら、モカ豆を挽いて珈琲を淹れる。豆を挽くミルは店で使っていたもので、挽き加減もそのまま、いい香りがひろがる。粉に挽く時に立ちあがる香りは珈琲好きにはたまらない。ミルから落ちる粉をペーパーフィルタに受ける頃に湯が沸く。ヤカンのお湯を一回しすると85℃、ふっくらと珈琲に湯をかけ蒸らし、あとは一気に注ぐ。やっぱりペーパーフィルタで淹れたものが旨い。適度の温度の湯が旨い味と香りをつくる不思議な飲み物だ。☆G線上のアリアを聴く。スピーカから流れる聴きやすい音量をチェック。続いてComes a Timeを聴きながら同じ作業。G stringSalley Gardensでもう一度ストリングスを意識しながら音量を決める。編集中の音源を流しながら、今日の編集ポイントを確認し、裏の林の影が畑を覆うまでヘッドフォン・チェックしながら、作業を続ける。☆毎日よくそんなに続くなあ、とお思いか。自己流での音源づくり、作業そのものも試行錯誤している。結局は『自然に聞こえる音楽』を目指してアーダコーダしているのでござるよ。今日は低音の響きとヴァイオリンのハーモニクスのバランス。通奏低音を意識してさ。バッハ師匠の反映をつくってみます。