2015年 3月

 1(日)
暗い空、雨まじりの雪が降っている。雪に覆われていた田んぼは殆どなくなり土の色になっている。コートのフードを被り、冷たい風の中一回りの散策、10分も歩くとかるく汗ばみ、家に帰って身体を乾かし、珈琲をたのしむ。風邪をこじらせて数日寝込んでた。一時はすっかり鼻声になっていたが回復。☆さっき歩きながら、ふと最近深夜ラジオの番組で『カラスの寿命は二、三十年』と耳にしたのを思い出し、親しくなったカラス達は冷たい雨のなか、どうしているか?と気になり、キョロキョロしてた。知り合ったきっかけは、畑をやりだした年、赤く色づいて大きくなったトマトを鳥につつかれ防護にネットを張っていると『ナンでそんなことするのか!』という激しい抗議をうけた。近くの電線に止まり威嚇するカラスに向かい『お前がつっついたのか?』と睨んでやった。そして収穫後にネットを片付けていると、又もややってきて『絡まって面倒くさいだろう!』とののしりの言葉をぶつけてきた。何故同じカラスと判ったかって?そやつの特徴のあるシャガレ声だからさ。☆『カラスって頭がイイから気を付けた方がいいよ』と友人のKumoKazeさんからの指摘を思い出しながら、ヤツとの付き合いが始まった。翌年なにかにつれやってきては声をかけ、オイラは適当に応えていたが、ある日出かけようとするオイラに慌てた訳のわからぬ声で『・・・』と必死に訴えてきた。『どうしたんだ?』と辺りを見るとオイラの足元にヤツのエサとおぼしき小動物が転がっている。『落としたんだな?オレは欲しくないから、持ってきな!心配いらねえからな』。以来ニクマレグチは一変してフレンドリーになっている。この時数人、ヤツの仲間も見ていたので、ヤツラの口コミも手伝ってか、やたらシャガレ声の知り合いが声をかけてくれるのだ。


 2(月)
怒髪天を衝く状態で怒りをあらわにしたカラス。『もしや?』と想い出したことがある。『カラスは決まった音程で互いに通信している』というのだ。『面白い!試してみよう!』と意気込んでた。夕方のじょにことの散歩の時に試したのだ。収穫後の田んぼに群がるカラスに、聞きかじった『集合の合図はF』を発声すると、ナント集まってきたのだ。広い田んぼに居たのが歩いて近づいて来る。オレもじょにこもビックリしつつ、『成程ナルホド』と繰り返していたが、微妙にズレた音程のせいか、途中から集まるのをやめ、餌をつつき始めた。『絶対音ないからなあ』と諦めて、じょにこの散歩に専念したっけ。もしかしたら、あれは『F』に近い音だったのかも。オレとじょにこを仲間と思ってたのか?それから何年も経っていたが、あの時の『集合』の合図をしたオイラを憶えていたカラスだったか?それ以降のこともナントナク納得できるぜ。急にフレンドリーになったり、会う度に挨拶をくれるのも・・・。☆しかし何だな、『集合』の合図をおくっても『解散』を示す音は知らなかったので、ことによったら収集のつかぬことになってたかもしれないなあ。


 4(水)
昨日、土色の田んぼだったが、またもやうっすらと雪におおわれている。★盛岡の珈琲屋でフリージアの花を見かけた。春の陽射しを連想させる色と甘い香りが好きだ。母がよくオレの机の上に、この花を飾ってくれたもんだ。母はオレを産んでから重い間接リュウマチを患い、幼いオレをともないあちこちの病院にかよっていた。その痛みはひどかっただろうに、花瓶にさしたこの花を二階のオレの部屋まで届けてくれていた。この花を見る度に、もっともっといろんなことを話しておきたかったと後悔を感じながら、なんとも有難く母を想ってしまうのだ。☆もっとも母がなくなってからは、心の中の母とは常にいろんなことを感じている。父も。岩手に来てからも。★数年の寿命かと思っていたカラスの寿命が意外に長く、二、三十年と聞いたのが先週だった。あの『カラス集合!事件』で、姿かたちは違うが『集まれ!』と声をかけてきたオレを仲間とみなして、ネットをかけるオレに罵詈雑言をあびせてきたヤツ、『仲間』なんだと思うようになった。カラスと奇妙な付き合いをしているオレを見て両親は何をおもっているのか。『カズは・・・』とフムフム頷いている。


 7(土)
母が活けてくれてフリージアの花が好きになって、香る花との出逢いが始まったようだ。♪山家暮らし♪に登場させた『くちなし』の風情、香りは大好きだ。夕立の後の澄んだ空気に漂う香りのすがすがしさ。風に乗って届く『きんもくせい』もいい。盛岡城の近くで出逢った『大山蓮華』は毎年会いに行っている。岩手に来てから山間で咲き乱れる『百合』に逢った時は大感激したもんだ。☆チョイとおかしいが、食いしん坊のオレにとっては好きな花の香りは食欲さえ刺激するようなのだ。その花を食べたくなるわけではないが、香りをたのしむだけではないようだ。音楽を志した頃、感じるものをギターの和音におきかえる作業に没頭してたが、その最中に感じる『食欲』のおおきな存在感は確かに在ったのを憶えている。重ねて云うが『花を愛でる』という上品な嗜みもちゃんと在るんだぜ。その嗜みのほかに、食欲も大いに動くっちゅうことさ。


 8(日)
ほんのりした陽射しを受け、庭にちいさな花が咲いた。名前は知らないがお米粒位の白い花と青い『わんこのふぐり』。わんこの『ふぐり』をじっくり観察したことがないのでナンなのだが、この名前じゃチョイとかわいそうではないかい?と思う。もっともすべての花をフローラと呼びかけるので、ナンの問題もないのだが。☆ついこの間まで雪に覆われていた処の土が顔を出したら、こんなに可愛いちっちゃな花が咲くなんてナントも愛おしいなあ。地面に顔を近づけ、わんこの匂いがするか確認。普通の土の匂いだ。ケータイのカメラを向けるが、小さなモニタ画面では細かいところまで確認できない。パソコンに取り込んで大きな画面に映る姿を見て、可愛さに賛美。こんなにちっちゃいのに雄しべ、雌しべもちゃんとあるし、花びらの濃い青の線も綺麗だ。挨拶で『あったかくなりました』など適当に口にするが、小さな花達の笑顔で知らされる『春』の訪れ。とても有難いよ。


 9(月)
昨日に比べると低い気温だが、庭の隅に黄色を見つける。近づくと枯草のなかからふっくらとした蕾だ。なんていったっけ、この花の一般的な呼び名がでてこない。毎年恒例、まず声をかける『又逢えたねえ フローラ とてもうれしいよ ええとクロッカスだっけか?』。白く薄紅がまじった花、やっぱりちっちゃい青い花につづいて逢えたが、庭を見渡してもその所在ははっきりしないが、これから次々に花達に逢えるぞ。パソコンで拡大してみよう。パソコンの電源をいれる間、多分クロッカスと呼ばれてる筈だと思いだす。ネット検索すると『ビンゴ』大当たりだ。☆花びらのこの色、あったかくてイイなあ。『花は一様の春を知る』だなあ。こうして少しづつ元気を貰えている。落ちこんでた時は『白い花』にしか反応しなかったこころが、いろいろな色に調子をととのえてもらってる。アリガタイコッチャ。


11(水)
昨日からの雪で、又白い世界にもどっている。東に向かい合掌。あの日のように寒い。★昨日は雨と風で釜石線のダイアは終日乱れ、帰りの汽車を寒風のプラットフォームで待っていると『盛岡、釜石間は運休』とインフォメーション、勤務地が盛岡になった息子に連絡し東和に帰った。★HP書き込みソフトの容量を抑えるため2011年のブログの画像を削除している。出来れば、この年のブログを、もう少し掲載できないかと思い、新たなレイアウトに編集している。まだ気持ちの整理がついてないんだ。☆この地域は地震の激しい揺れと同時に停電。通電したテレビが伝える沿岸の惨状、つづいて福島の原発の状況に茫然、うろたえたまま時は移っている。★4年前ののブログの画像って、何処でどのように撮ったのかを、かなり憶えているもんだ。外では激しい風が唸っている。


12(木)
今年の春一番の花は断続的に降る雪に覆われてしまい、こころに残る花達との出遭いを想いうかべている。カフェほうほうの出窓を飾る花。多分産直で見つけた切り花でとても爽やかな香りだが、名前が判らないとブログに載せたら、電話を頂戴し『梅花(ばいか)うつぎではないか?』と教えていただいた。『うつぎ』とは空木で茎のなかが空洞になっているとも教えられたが、確かめなかったのが今になって悔やまれる。♪卯の花の匂う垣根に♪の『卯の花』だそうだ。卯の花すべてが匂うわけではないようだが、この花はとてもよい香りだった。☆花の香りは受粉のための虫達を集めるためらしいが、素敵な花の香りに出遭ったときのオイラはこれに当たるようだ。虫のように香りを感知し、花のもとへと誘われる。甘い蜜を連想し花にたどりつく虫たちの、香りを感知する機関はどんなもんだろうか?オレのように喚起する食欲にささえられてるのかなあ。☆自然の花たちを想っていると元気になり、こころのなかの楽器の調子もととのってくるようで嬉しい。


14(土)
数日間降り続いた雪だが、土の温度が上がっていたせいか大分とけて、ニンニクの芽がひょっこりと出ていた。今回の雪が降る前には土の中だったので、芽を出したら雪に覆われ大変だったろうに。胃潰瘍で休んでいた頃にガーデニングを始めた。両親がやっていたことを真似しようと思いたったが、元来の食いしん坊は初心者向けの『野菜づくり』のガイドブックを頼りに。小松菜の種を蒔いた数日後の、一斉に芽を出した光景にビックリ。土を押しのけるエネルギーの物凄さ、昨日のように憶えている。☆そんな経験をいかそうと、岩手に来て『カフェほうほう』を開いたのが2月、暖かくなるのを待って、知人から畑の一画を借りて野菜づくりを始めたが、挫折。慣れない店の運営のため畑に行けるのは週一、あっという間に草だらけ、土がいいから草達も元気だった。☆そんなわけで畑を始めたのは11年から。限りあるHP書き込みソフトの『空きスペース』を得るため、11年のブログの画像を削除しているが、文章はしばらく残したいので『軽い』レイアウトに編集することで更にスペースを得たが、編集途中でしばしば当時の出来事に想いをはせてしまう。怒ったカラスとの出遭いもこの年だったし、出来た作物に感激の連続だった。


16(月)
懐かしいモカの豆を頂戴し早速挽いて淹れてみた。旨い、香りもいい。日本では禁止するものが栽培過程にあったようで、好みのモカが遠ざかっていたので、再び逢えて嬉しい。☆モカ、ブラジルは珈琲の主流、この二つに幾つかの豆をブレンドしていた『カフェほうほう』の珈琲を想い出す。☆降り積もっていた雪も解け、昨日から気温があがり、暖まった土から『春』が顔をだしている。夜、裏の林でフクロウが鳴きはじめると、朝、様々な小鳥がうごきだすこの時期は、長〜い冬の冷たい手で握りしめられていたものたちの解放のうたが、あちこちで聞かれる。昼間近くの田んぼに来て餌をついばむ白鳥のおしゃべりも盛んだ。渡りは近いかい?長い旅だから、しっかり食べとくんだぜ。鳥インフルエンザにも負けず、帰っておいで、と声をかけられ自分に気付く。みんなに元気を貰ってるオイラ。


17(火)
先日咲いたばっかりで遭った直後、雪に数日覆われていたクロッカスが元気で居られてるのかと覗いてみた。ナンのナンの元気だし、葉っぱも伸びていた。花びらもマッタク異常無しだぜ。タイシタタマゲタ!雪に覆われるくらいではビクともしない。今日東和町は17℃まで気温が上がってたので、気温差が20℃くらいあったのに弱りもせずに、お陽さんに暖かい黄色で仲良ししていた。★ご近所のオネーサンに久しぶりに遭ってオシャベリした。ご近所の一番幼かったS君が高校生になったって。お兄ちゃんは社会人。俺達もそんだけ歳取ったってことだなあ、と大笑いしながら、互いの顔をシミジミ見る。『光陰矢のごとし』ってこった。そして絹サヤを播いたと教えられ、オイラも畑の準備をせねばと気持ちが大きく動く。


19(木)
今日は寒い雨になったが一昨日、昨日と暖かい陽射しのあったおかげで桜の花がほころび始めてた。★昨日は土沢から久しぶりにバスに乗って出かけた。花巻の入口のお寺で、仏門に入って修行中の義弟が参加する法要。この寺の亡くなった先代の住職は、オイラのステージデビューの頃、音楽を聴いてくれてたと伺っていたので永年ご縁を感じていたが、お会いできずにいたので感無量。数少ないバスの運行なので法要まで時間があり、辺りを散策中に桜の蕾を見つけケータイのカメラを向けると、咲いている花を発見、思い切り背伸びをして収めたのである。今日パソコンで拡大して、改めて『春じゃ〜ぁ』と唸っている。☆一昔前の繁華街であった上町まで歩き喫茶店で一休みし。☆法要では大勢の僧侶がいらしてた。ずっと話に登場していた先代の住職にも遭えたような不思議な気持ちになる。人生がゆっくりしていた青春の一ページ、先ほど味わった珈琲の苦味もあって、みんなが『ラ・ボエーム』だった頃が蘇る。☆時空を超えタイムトリップし、帰りのバスに乗ると、非常に快い乗り心地にびっくり。運転手さんのお人柄が反映するに運転に大感謝。いい一日だった。


20(金)

水仙が蕾をつけたぜ。じょにことの散歩の帰り道、道端に咲いていた水仙を三株頂戴したのが、こんなに蕾を付けるようになった。もう少し経つと黄色味を増しイイ風情になる。あっちもこっちも『ワンコのふぐり』たちのようなチッチャイ花達が花盛りで葉っぱも茂りはじめている。二回ほど天ぷらにした蕗の薹(当地ではバッけと呼ぶ)、家の周りにも顔をだしたので、これは蕗の薹味噌にしてみるか。苦味がマランタ(=業界用語『たまらん』の意)。☆オレたちには見えない土の下では、いろんな命がうごいているだろう。


21(土)
東和町産の大豆500グラムを洗い、沸騰した湯に浸したまま2時間吸水。一晩かけての吸水ではないので『あく』が出るので、水をとりかえ、5分間圧力をかけて茹でる。思ったより『あく』が強いので新しい水に、豆の甘さをひきださせる塩を加え沸騰させ、そのまま冷まし、次の日にこれを食べる。岩手は豆腐が旨い、茹でた大豆も旨い。☆珈琲のあとに、茹で豆を賞味。取り替えた水の分、雑味がなくなり、旨味、甘さも充分だぜ。珈琲も大豆も豆だから相性がよい。薄い塩味の大豆もイイが、甘い小豆も合うからね。☆もう一杯珈琲を飲みなくなる。Dylan とEmmylouのデュエットを想い出す。★男女声のデュエットかあ、Gram Parsonsとのエミルーもイイ。Neil YoungとNicolette Larsonの
 Comes a Time 
はイイねえ、フィドルもイイ。Nicoletteが居たからNeilの♪Lot a Love♪を聴くことができたのだから。Neilはカセット・テープに入れたLot a Loveをボツして車の中に捨てていた、ある日同乗した彼女がそのテープを拾い再生して大いに気に入り彼に了解を求めレコーディング、大ヒット・・・と云われてる。彼女のカヴァーもイイがNeiのシンプルなサウンドも非常にイイ。正に出逢いだねえ。この二人が♪Comes a Time♪でハモッている。トムジェリの谷岡氏のフィドル、聴きたくなる。★午後、暮に刈りとっった枯草たちに土を被せる。食いしん坊のスイッチ、入ったかな?


23(月)
夕方から雪という予報より早く、朝から雪がちらつく。『!』と何故か力がはいって、!天ぷらで三回食べた蕗の薹を、今回は『蕗の薹味噌』でいただこう、と食いしん坊は雪が積もる前に、動きだす。家の周りの枯草の中から10個程見つける。水仙のつぼみはふっくらと黄色も増して旨そう。★細かいゴミ汚れをおとし水洗い。蕗の薹の半量位に酒を加え火にかけ、トロ〜ッと流れる状態に練り上げる。蕗の薹のアクでまな板が黒くならぬように、切り開いた牛乳のパックを置き、水洗いした蕗の薹を細かく刻み、酒でのばした味噌に加え、程良く水分をとばし、念の為に電子レンジで1分半加熱。出来上がり。☆枯草におおわれた『蕗の薹』を見つけ、指先でちぎると、独特の苦みのある香りが広がる。今までは油炒めしてから味噌、酒を加えたていたが、今回は油っけ無し、下茹で無し、の『苦みある風味』を活かしてみた。味噌に酒、砂糖をホンの少し加えただけの味。旨い。ご飯をおかわりして頂戴した。
『念の為に電子レンジ・・・』とは、下茹でも油炒めも省略し、味噌も少なめなので、日持ちするように考えたのですが、直ぐに美味しく頂戴してしまうだろう。


24(火)
この一か月、盛岡講座の日の気象は荒れ模様で釜石線の運行のみならず東北本線も遅れがちだったので、朝一で釜石線のダイアが平常通りであるのを確認。安心して駅まで急ぎ足で歩き、汗ばむ。☆車窓から見る昨日から降り積もった雪は盛岡に近づくにつれ、多くなっていた。盛岡駅前でバスを待つと風が冷たい。中の橋からみる中津川の河原は真っ白。☆講座の教室は効き過ぎるように感じたが、今日の盛岡は花巻に比べると、かなり冷えていたんだな。☆日が延びている、花巻でも明るい。新花巻でも、目を凝らすと歩ける感じだが、新花巻を発車すると急激に暗くなっちまった。土沢は空はかすかに明るみを残すが、ガイド無しでは歩けない。風も冷たい。耳がこごえちまった。★ピューピュー吹く冷たい風が想い出させてくれたことがあった。行きのバスのなかでの光景。ちっちゃな男の子を連れたお母さんが席を立って降りようとしているが、その男の子は誰かに「バイバイ」と云っていた。それから両側に座る人、一人ひとりに「バイバイ」とご挨拶。「ほら、降りなさい」とお母さんが声をかけるが、慌てもせずに誠意をこめて「バイバイ」とご挨拶し、降りていった。走り出したバスの中は笑顔。あったかいものが広がってた。


28(土)
積雪の後、またもや暖かくなって更に花達も嬉しそうに咲いている。このところ気温は10℃以上が続いてポカポカしている。★昨日の昼、妙なカラスに声をかけられて、コート無しでちょっくらご近所を散策すると、様々な小鳥たちが沢山樹木の葉の中でオシャベリしている。なんだか忙しそうに鳴いている、相手の話をちゃんと聞いているのか?それとも春の訪れに歓迎の声をあげてるのかい?そういえば、さっきのカラスの声も笑うようにカッカッカを7拍子で何回も繰り返してた。黄門さんの笑い声のような、3・3・7拍子の7拍子だけを嬉しそうに、あれはイイ気分だから外においで、と誘ってくれてたんだなあ。☆夕方、少し町の方へ足をのばすと、花粉除けのゴーグルを付けた少年に遭う。春は花粉舞い散る季節でもあるんだなあ。でも少年は、鳥や花たちのように明るく軽やか笑顔を向けてくれた。☆往路でリュックさんの車を見かけ、逢えるとイイなと戻るとセッちゃんにバッタリ、淡路島からのお客さまを案内中だとか、ご挨拶して帰路につく。小鳥たちのオシャベリも落ち着き始めてるが、盛り上りは続いてる。♪Comes a Time♪のケイジャンフェドルの音が辺りイッパイに響いている。正に♪Comes a Time(そんな時が やってくる)♪だなあ。


29(日)
昨日、保育園を卒園した孫娘がひとりで泊まりにきて、朝早くミーとお散歩し、今度はジージと行く!と誘いにきた。外に出ると手をつないで、咲き始めた花の処へ案内してくれた。息子が『ジージは目が悪いから手をつないで歩いてあげなさい』と何年か前に云った時には照れていたのに、オレの手を引いてくれ、ほら土筆ん坊、名前は知らないけど可愛い花だよ、とちっちゃな手であちこちへ引っ張ってくれながら得意のオシャベリ、蕗の薹味噌も好きなんだあ、あの苦みがいいんだよね、などと云いながら張り切っている。昨日の卒園式からズ〜っとハイテンションで昨夜は一度布団に入ったが、眠れずに起きてきて、再びお喋りの花が咲き、二度目で眠れたようだった。ほらネコジャラシみたいだよ、とネコヤナギを指さし示す。★オレの顔を見る度、ギャーギャア〜泣いていた子が、ここは段差があるからなどと気遣ってくれる。今夜はオレが眠れなくなりそうだい。


30(月)
夕暮れ前に早足で一回り。思っていたより寒い風だった。途中、崖の斜面で蕗の薹を摘んだり、可愛い花に挨拶してたら身体が冷えちまった。又、早歩きすると咲き始めた梅の花に一年ぶりに逢えた。いい香りが辺りをまるで別の空間にしている。手を伸ばし幾つかの花を撮っていると、冷たさを増した風に鼻水だぜ。冷えをくりかえしてるので競歩のように歩くが、高速自動車道の高架にさしかかる。此処は自然のエコーが利いているのさ。しょうがねえ〜なあ、いっちょう歌ってみるか、何をうたうか、ええと、じゃ、♪遠い世界に♪にしよう。程良いリバーブがかかってトンネルがうれしようだ。しょうがねえなあ、ゆっくり歩きながら1コーラス。又、冷えたぜよ。☆帰宅しパソコンで梅の花の画像を編集してると、さっきの香りが蘇ったよ。気分いいので久しぶりにビールっちゃうかなあ、一昨日も孫の卒園で、そう云いながら飲んだんだっけ。でも梅の花の香りに出逢えたお祝いだしな。