2011年11月 ほうほう日記

 1(火)
穏やかな日和、家の中より数段と暖かい陽射しの恩恵を受け、“らんちゃん”に逢いに行くと、その小さな身体で物凄いジャンプ力を見せてくれた。成犬になったと聞くが声変わりしないのか幼いままの声で、壊れるんじゃないかと心配する程、ホトバシル感情。じょにこは突然低い声に声変わりして家族をビックリさせたが、まだまだ赤ちゃんの声のままだなあと上向きになって甘える“らんちゃん"の腹をなでると、今日もオシッコをする。このチビスケが夜中に獣と唸り合うとは驚きだ、勇敢だな!と云う言葉が判るのか『そうでしょ!』と得意げな大人っぽい表情をする。その時の声音は目の前の可愛らしい“らんちゃん”と同一のワンコとは思えぬ凄みがあり『みんなを守るんだ!』という決意の表れ。★花壇側の積み重ねておいた枯れ草をコンポスタに入れ土で覆う。先輩いわくサツマイモは肥料の少ないところに育つ!、来年は花壇の隣を掘り起こしてサツマイモを育てたい。畑の方にジャガイモかな!と呟くと、聞こえたのか“らんちゃん”が嬉しそうな声が届く。★夕方ウォーキングに出かけると、道路の反対側に移された“らんちゃん”が随分会わなかったように「来て、来て!」と一騒ぎ。去年の秋口に見つけたクジャクソウが坂の上で綺麗な色を見せているので、いきなり急斜面を登り会いにゆく。田園風景と大きな空をバックに可愛く群がり咲く。更に急な坂をだらだらと歩くと静かな山間の開墾地、家の周囲では聞かれなくなった秋の虫が澄んだ声で歌っている。

 2(水)
風にゆれる樹木の葉の音が聞こえるのは乾燥して葉が落ちるキザシか?、葉の揺れるサワサワという音に混じって、キュッキュと金属がこすれるようなのは鳥の声かな?“らんちゃん”の隣のイチョウも黄色が映えている寒い朝。寒さは晴れて放射冷却か空の青さが澄んでいる、講座の発表会で盛岡に行くが寒さ対策が問題のような気がする。★講座の発表会では、何年か前の盛劇でご一緒した朗読の会“ことのは”の方に再会。又、ここ何回か発表会での俺の音楽を聴きにみえた方とも音楽を創る機会にめぐまれた。★思ったより暖かい日で助かった。往路、車窓から見える景色は穏やかな陽射しで様々な葉の色で彩られていた。夕方日が暮れるのが早い。この時期、東京でもこんなに日暮れが早かっただろうか?岩手に来てから秋の日が短くなるのにビックリしたから緯度の関係だろうか?!街灯が多くて暗さに気付かなかったのかな?4時過ぎに暗くなり始め5時には真っ暗。岩手に来てからは、毎年冬至が待ち遠しくなり、冬至を境に日が長くなるのが嬉しくなる。★今ネットで聞ける俺の音楽は他にあるのか?という、お問合せを頂戴した。KumoKazeさんが作ってくれたオリジナル作品集CD『ほうほうの世界』 視聴コーナー と youtube から聴けます。聴いてください。

 3(木)
TV岩手の下の綺麗に刈り込まれ紅葉した生垣の中に“ケヤキ”がニョッキリ育っている。多分今年になって植え込みの中から出てきて陽の光を浴びて育ったんだなあ。すぐ傍にケヤキの大木があるから、竹トンボのようなプロペラの付いた種が植え込みの中に落ちて芽を出して頑張ってきたようで、親は紅葉しているが、この若者は春の新芽のような緑鮮やかな状態に居る。1メートルの高さまで成長するのに何年かかったのだろう?綺麗に刈り込まれた生垣の赤茶に紅葉(この葉をアカデミー事務局ののM子ちゃんが講座『心に響く青春の歌をうたおう』の発表会の資料の表紙に飾り、皆さんに配ってくれた)の中で緑が映えている。★暖かい日中に突然大きなこえでカエルが鳴き交わしていた。雨の降り始めを告げるように鳴くカエルの声なので、空を見上げたが雨雲の出現は無い。夕方のニュースでは20℃を越えた花巻地域なのでカエル達は気温を話題にしていたのだろうか?。




 4(金)
昨日紹介した講座の発表会の資料プリントの表紙に赤茶の葉っぱが飾ってある。発表会で歌った♪ In My Life ♪の『心に残る場所も人もソレゾレ存在する意味をもっている』と詠われている。何故だか判らないが妙に気になる存在。俺らに何かが届いたことを知らずに、あとになって助けられていたんだと気付き嬉しくなることは少なからず在る。眼差しを向け合う時だけでなく、ほんの少し眼差しを外した時に、そっと届けてくれる優しさは有難い。★裏の林を吹き渡る風にそよぐ葉の触れ合う音もカサカサと一層乾燥している。目を上げると、すっかり紅葉した銀杏に窓辺に巣を張るクモのシルエットがクッキリしている。うっ、いつもは頭を下に向けていて『そんな状態だと頭に血がのぼってボーっとしてるんじゃないかい?』と声をかけたくなるのだが、今日は珍しく横向きになって手足をのばしている。『クモよ、その長い手だと五十肩になったらグルグル回すのに大変だろうが?』

 5(土)
東京から岩手に移住する以前からの土沢の知人から『カフェほうほう』のオープンの時に頂戴したコスモスの種は、アチコチに配ったり蒔いたりした。毎年交配を繰り返し今では殆どピンクになったのが多いが、ご近所さんとこには花びらの縁に赤ピンクの色を少し残しているが殆ど白になったものがある。小学校の理科の授業で習った優性遺伝の法則を思い出し、濃い赤や白花が毎年数を少なくなるにつれ納得していたが、この群は何かの影響で白色の遺伝因子が強く残ったようだ。DNA因子と環境からの影響、興味深い。★音楽に傾倒する俺のなかにご先祖様から引き継がれているモノを何となく感じる。若い頃の『ランブリング・ボーイ』以上にシャウトする歌い方は、何時しか母方の祖父のような細い声でも歌えるようになったし、自分でも驚く歌いまわしが突然出現したりする。都会暮らしから岩手カントリーライフへの環境変化はご先祖のもっていた因子を引き出すキッカケになっているようにも感じる。★突然そよぐ風にパラパラという音がする。目を窓の外に転ずると音を立てずに落ち葉が落ちている。枯れた草の葉の上に、風に揺すれれた木の実達が落ちているようだ。静かな林の奥で突然幼鳥がキャーキャーと鳴き親鳥が応えているようだ。★先に植えたトマトを抜き、妨鳥ネットと針金、ビニール紐を取り除く作業の時にカラスが近くに来て、文句を云っているようだった。ネットを張る時にも来ていた奴かな?!作業終了まで例の意地悪っぽい声で叫んでいた。

 6(日)
♪雨がしとしと日曜日♪。雨どいを流れる雨の音も混じってる静けさ。銀杏の葉が随分落ちてしまった。畑の三本トマトを抜き、覆うネットを外したので急に寂しい景色になった。植えつけたニンニクの芽が出ないかな?!と雨の中見に行ったが出ていない、もしかしたら春まで発芽しないのだろうか?★大根は相変わらず葉を茂らせているが、根元は左程太くなっていないように思う。先輩は「寒さが増せば太くなるから」と云っていたが種蒔きが少し遅かったのかもしれない。★干した渋柿は水分がとんで大分小さくなっているが、干し柿にも寒風が必要で暖かい日が続くと痛むらしい。金曜に『ほっと』で見かけた袋入りの“渋柿”を見ながら仰る町の古老のアドバイス。


 7(月)
昨日から今朝まで降った雨が畑の脇の水路を流れている。畑の隅に抜いたトマトの青い実が雨に濡れている。トマトがこれ程長く実を付けるとは知らなかった、驚きだ。青いトマトの実で肉料理にかける美味しいソースができるらしいが、もう保存しておく場所もなくなり畑に置いてある。夕顔のスライスとかスウィート・バジルで作ったジェノベーゼ・ソースなどは冷凍で、コボレ種で育った赤紫蘇のジュースとか結構保存している。★最近人と会うと「使わなくなった炊飯器って有りませんか?」と問うてしまうのが常になっている。何十年も前に使っていた旧式の炊飯器を思い出しながらの質問するのだが「あんな古い炊飯器などもっている方は居るわけないなあ」と思ってしまう時代モノ。TVCMで見る炊飯器はプラスチックで蔽われているが、うちで使っていたのは殆どナベのような形で、もしかしたら保温機能もない原始的なものだろう。植えつけたニンニクがうまくいって収穫できたら本気で探してみよう。★この楽曲に出遭った頃、あの炊飯器はまだ有ったかな?ステージ・デビューの頃かな、日本でのDon Mcleanのデビュー・アルバム『American Pie』に入っていたVincent。何十年かかって歌詞を聴き取った思い出深い楽曲。演奏楽器と参加ミュージッシャンの名を頼りに選んだ一枚で当時擦り切れる程聴いていた。最後の不明の単語、[amber=琥珀、琥珀色の]は遂に判らずいたのだが、土沢に住むAnthonyが俺の歌詞ノートを覗き“amber!”と指摘した。のんびりした岩手カントリーライフで出遭ったネイティヴ・アメリカンのAnthonyとLちゃんの存在は俺の英語の勉強の力強い味方になっている。

 8(火)
ヤギの親子のお食事。二人しか写ってないが四人家族。彼らの鳴き声が風に乗って届いてくる。今朝は冷え込んでいる、これが例年の気温だと言うが先週まで暖かだったので、この寒風にはこたえる。裏の銀杏も大分葉を落として明るい色が少なくなってしまった。★今日の盛岡での講座は体温を逃がさぬようにしなければ、と覚悟して厚着して出かけたので左程の冷えは感じなかった。帰りの電車には暖房が入っていて車内の温度計は22℃を示していた。★明日は『豆とビーフのシチュー』をと、みえこに所望されたので東和町産の大豆と肉やセロリを仕入れ、先輩に頂戴したニンニクをドッサリいれ、畑でとれたトマトのストックで調理しようと思う。これからやってくる寒さに負けぬように気合を入れてみよう。

 9(水)
陽射しがかげると途端に寒くなる。干し柿をつくるにはこの寒さが必要なのだと聞いたので文句は云えない。★カフェほうほうでは肉屋さんに頼んでいた牛肉の部位が近くでは手に入らぬことが判明しシチュー作りは延期、産直で今年の大豆はオッケー牧場!、水に浸して明日茹でよう。肉を求めて花巻、北上を移動し思わぬ処で紅葉している樹木を発見し目の保養ができた。北上の工業団地近くの銀杏並木では葉が残り見事、新花巻から東和に向かう地域では幾種の彩が別世界のように感じられた。土地の人々はイマイチを云うが俺の目には見事な風景に見えた。アチコチ移動したついでにリサイクル店で炊飯器を見ればよかったと、みえこが残念がる。めぐり逢って以来、彼女もすっかり魅せられている黒ニンニクの美味しさ。


10(木)
この時期花は散ってしまったと思い込んでいたが、幾種類の花が咲いている処があるもんだ。お庭を育てる人の優しい気持ちが計り知れる。この花に似たのを東京で育てたことがある。サギソウといって草丈が指を広げたくらいだったが、一年で枯れてしまった。多分水遣りの失敗だったと思っている。半日陰に咲くこの花は腰の辺りに咲いているのでサギソウではないと思うが、純白で繊細な切り紙のような花びら。気になる草花に会うと、植物図鑑で名前や性質など調べて記憶する方がいらっしゃるが、モノグサな俺は、それができないのだ。カントリーライフの初期には家族で図鑑を持って野山を歩いたが、目の前の美しい草と図鑑の中の写真とが同種であると見分けがつかないのだ。多分狭い視野で捉えられた感激の大きさの余り、落ち着いて比べることがでなくなるような気がする。ヨジローが云っていた『・・・は惚れたってことよ』のように、眼差しを向け対象との間に生じた何かが、冷静に三者と同列にすることができないのだろう。裏の殆どの葉を落とした銀杏、青空がすけて見え、窓際の例のクモは頭を下にして動かずにいる。よっぽど血圧が低いから、あの体勢で居られるのだろうなあ。

11(金)
そろそろ床下の換気口を閉める時期なので家の周りを歩いたら草の種子が大量に服にくっついてしまった。先っちょに生えている二本のトゲの角度が微妙で、一度着いてしまうと中々取り除けない。チクチクするので取り除くのに大変なだった。今朝は霜がおりて畑の隅で頑張っていたムラサキツルナがしぼんで枯れてた。この寒さで成長するネギや大根達は元気ハツラツしている。この様に寒いと煮物に適した大根だと良いのだが、イマイチ太くなるには時間がかかりそうだ。★盛岡では初氷だとか、俺も厚手の冬支度で二軒のリサイクルショップの電気炊飯器を覗いてみた。勿論例の黒ニンニク作り用だ。家に有ったような旧式のモノは見当たらなかった。匂いがドラキュラもビックリになるというので、友人は作業小屋で作ったそうだ。又、炊飯器も黒ニンニク専用にしたほうが良いとアドバイスも受けた。中古の炊飯器の価格をネットで調べると大体同じ位だった。夕方から冷たい雨になる。一雨毎に寒くなり、やがて雪の季節に・・・。

12(土)
今朝は濃い霧が土沢の盆地を覆っていた。10時頃でも萬鉄五郎記念美術館裏の館山が霞んで見えないが、早朝は車で動くのが恐ろしくなる位に見通しがよくなかったとか。★昼前に寄ってくれた農業の先輩から東和の豆は旨いから是非とも自家製の“味噌づくり”をするべしと勧められた。みえこの実家で作っていた味噌も無くなり、作りたい気持ちは持ち続けているが、マタマタ勧められて一層作ってみようと心が動く。カフェほうほうのご常連は『大豆は東和産、麹は選ぶべし!』とお奨めの麹を教えてくれた。作る人の数ほど自慢の“手前味噌”、これは凄い文化だ。陽射しがでて暖まるにつれて裏の林で“ッチ!ッチ!”と不思議な声で鳴く鳥、つられて数種の声が響いている。落葉した雑木の幹に鳥の声が反射して冬っぽい音になっている。★最近では工房で窓を開けて音楽するのも昼間だけだ。今年の夏は暑かったので家の北側にある工房でオッケー牧場だったが、こう寒くなると、夜になると窓を閉めて音楽しているが足が冷えてしまう。冷寒地独特のあったかいスリッパがあるというので町まででかけた。中々の優れもののようで帰って早速履いてパソコンに向かっている。


13(日)
東和温泉の隣の庭を歩くと鮮やかな色を届けてくれる花達に出遭える。じょにこと毎日歩いていた処なのだが、歩く度に異なる表情を見せてくれる。今朝は霧雨が音もなく降り、冬色になりつつある辺りを深みのある色彩にしている。移り往く季節の中の生命の営みを感じながら、自分は如何に生きているかを問いながら歩く。★家に帰り、暖かいから窓を全開で、しとしと降る雨音を聞きながらギターを取り調弦し日常的な音を出す。何十年繰り返しているフィンガー・トレーニングを兼ねて音を確認。しとしと雨が量を増し枯れた葉に落ちる音が変わり雨どいを流れる水の音が加わり、ギターの音が自然かどうかを聴いてチェックしてくれる。各音を確かめながら音量を上げ、高いポジションから低いポジ生へと。指も暖まって声を出し楽曲練習へと移る。毎日繰り返しても直す部分は無くならない。今日まで届いてきたものからの反映を感じながら、繰り返す。



14(月)
又、夜の間に雨が降っていたようで道路が濡れている。裏の銀杏も全部の葉を落としている。昼頃から暖かい陽射しが出た。赤紫の紫陽花の花が、枯れずにドライ・フラワーになっているのを見つける。土沢駅前でもドライ・フラワーになって冬を越すアジサイを見かけたが、東京では夏の間に枯れていたように思うのだが、岩手は枯れないのが不思議だ、矢張り涼しい夏ということか。これは見慣れた日本のアジサイではなく西洋種で花びら(?)がトテモ大きい。★元気に葉を茂らせている大根だが、根が中々太らない。始めは駄目で元々などと思っていたが、ここまで元気だと“風呂吹き大根”で食べたくなり、毎日「ゴキゲンはどうだい?」と声をかけている。『見つめる鍋はなかなか沸騰しない!』と云うので見つめない様にしているが矢張り気になって葉を持ち上げて根元を見てしまう。発芽した当時は葉を食べる虫に注意していたが、全部食べる程の大食漢ではなく、「大根の葉っぱは旨いからなあ」と互いに頷き合ってきた。もう充分に寒いので肥料の追加もしないで良いと思うので、あとはジッと待つのみだ。

15(火)
今朝は寒いぞ!風もあるようだ。天気予報では最高気温が10℃未満で雪マーク!日本海に寒気が入ってきてるらしい。講座に出かける盛岡は此処より寒いので、着る物をチェック。暖かい状態で居なければ。風がヒューピューいいだしたぞ。★TV岩手アカデミーの教室の大きな窓からケヤキの種子がクルクルと落ちているのが見えたので放課後、間近で飛ぶ羽根がどんなものかを見たくて落葉をかき分けて探した。暗くなり始めていたので俺の目では探せなかった。何とも残念でした。★花巻駅に帰ったら、初雪にしてはエラク大粒の雪になっていてビックリ。娘に迎えを頼んでいたので無事に帰れることができ感謝。自分が帰れたら、今度は娘が無事に帰宅できたかが心配なったり、でも無事帰宅を確認でき風呂につかる。予想した寒さを重ね着でかわし、湯船で手足を伸ばすが中々温まらなかった。身体は冷えていたんだなぁ。皆様、風邪ひかぬよう、お気を付けください!!!


16(水)
今朝も充分に寒い。このまま冬になっちゃうのかな?大根の畝の近くに咲いていた花がツブツブになっているようだ。時折ビューと通り過ぎる冷たい風の音に揺れる綺麗な色。子供の頃呼んでいた“アカマンマ”かな?★昨日冬のコートを着て出かけたら「あら先生、冬支度ですか?!」と講座の皆さんに云われた。今から冬のコートを着て、もっと寒くなるのだからという警告が含まれているのだろうが、テヤンデー!『寒いんだから・・・』ショーガアルメー!。★アカデミーの教室の窓から初めてクルクル回って落ちるモノをを見た時、ケヤキのタネと聞いたので、いづれジックリ観察しようと思っていた。放課後、既に寒くなっていたが杖で枯葉をかき分けたがタネらしいモノは見つからなかった。もしかしたら複数の葉が付いた枝が落ちているだけなのか?と思いながら探した。羽根突きの羽根のように下の部分が重くて上部の葉がクルクル落ちる様は何とも可愛らしいのだが。来週には葉が落ちてしまっているだろうな?★アカデミーの事務局のMさんに『クダンノものは種子ですか?』とメールしたら、こーピー機で写しメールに添付してくれた。明日画像を編集して載せますぜ。

17(木)
『(受講の)おね〜さまがたと おんなじように
種っこだと おもったんだけど(なんの不思議もなく)
そう言われてみれば よ〜ぐ 見たごどなガンスなぁ〜
なんちょになってるエンガ?と
駐車場でクルクル踊っておりてくるのをつかまえて
コピー機で スキャンして みあんした
おかげで 私も すっきり しあんしたよ  ありがとガンシタ  』

TV岩手アカデミーのMさんにお許しをいただいて、彼女からの嬉しい便りを、そのまま掲載しました。お人柄が反映して、ヒョーズンゴでは伝わらぬ“暖かい言葉”だとしみじみ感じてます。俺にも判るように注釈を付けてくれてました。長い歴史の中で育まれた言葉は凄い!!!以前KumoKazeさんが奥方からのメールを読んでくれたことがあるんだけど、その時の盛岡弁の“優しさ”をも思い出して心がホワッとなる。★オイバネのように落ちているので形もオイバネと思い込んで落葉の中を探していたんだなぁ。東京でもケヤキは並木にもなっているんだけど、クルクル落ちる様子は盛岡で見たのが始めて。葉の付け根にある玉が“種子っこ”なんだねぇ。★火曜日、タネ探しの後で、赤い葉の植え込みのケヤキを探したが、綺麗に刈り込まれていてピョコント飛び出ていた緑の葉はなかったなぁ。

18(金)
樹木の葉が随分落ちてしまった。裏の雑木林の広葉樹はスッカリ枯葉色でクチュクチュ縮こまって大地に降り注ごうと準備万端ととのった感じ。近くの道路沿いに赤い草紅葉が驚くほど鮮やかに目に入る。白いキツネの尻尾のような綿毛が風になびいて綺麗だ。ご近所のオバチャンが「今年は今まで見なかった雑草が生えている。大地震があったせいかも知れないね?!」とよく仰る。畑の中にも馴染みの無い草が出ているとか。俺は畑づくり一年生で何も知らないが、天変地異による生態系の変化は有りうるのだろう。★『みんなで歌おう』で是非歌いたいと強いリクエストがあり『荒城の月』をネットで調べたが、滝廉太郎のオリジナルは無伴奏の歌曲で、メロディーも、現在歌われているものとは一ヶ所異なる。イ短調、4/4拍子だと3小節目の4拍のD(レ)が♯している。ここ以外はナチュラルDなので、山田耕作が添削したらしいが、明治三十年台に土井晩翠の七五調の詩に、音楽学校の生徒滝がが西洋楽曲から学んだメロディーを当てはめたとは驚いてしまう。★最近『みんなで歌おう』に参加されている方から教わった“旬のもの”プラス110%の砂糖で作り毎日素手でかき混ぜる『酵素ジュース』がメンバーの間でブームになっている。自然の作物の力を引き出し身体に良い美味しいジュースができるのだ。★娘の嫁ぎ先から『むきたけ』というキノコを貰った。初対面のキノコで早速トマト味の豆シチューに少量入れて賞味。初めての食感で美味しく頂戴したが、是非茹でて大根おろしで食べてみたい。


19(土)
まだ秋だよ、と昨日出遭ったネイティブの方は仰るが、季節の分かれ目が未だに判らずにいる『岩手カントリーライフ初心者』は寒っ!!!とつぶやき暖かい陽射しを有難く思う。高い広葉樹木は葉を落としている。この時期岩手の太陽はぐっと南に傾いて、あっと云う間に沈んでしまう。★今朝は静かな雨、若い頃ギターに親しんでいた方々とバンドをつくり月二回音楽を楽しんでいて、最近ぐっと腕をあげている夜の講座の発表会は、食事会を兼ねるが、雨のおかげで左程寒くならないようで一安心している。★これからドンドン寒くなるが、互いの活動を通じ心を暖め合うことが求められる時期なのかもしれない。★珈琲を飲んでいるとシトシト静かだった雨も葉に落ちる音がしてきた。天気予報では激しい雨の処があるとか、大きな被害になりませんように。

20(日)
朝、雨があがっていたので土沢駅に置いてあった車を取りに行った。起きて直ぐだったので厚手のセーターにコートを羽織り歩いたが、途中で暑くなりコートを脱ぎ、陽の光が反射する雨の跡の道路を歩きなら昨日の行動を振り返る。暗い時間帯に一人で歩く時の注意点を多々感じ、家に帰りジックリ考えた。★俺の眼病は狭まった視野と同時に暗い光を感知できないので、暗くなる前に移動を済ませる。列に並ぶのは先頭を避け健常の方の動きをガイドにして行動。熱い珈琲を淹れ蜂蜜の甘味で頭の回転を期待して考え、余裕をもって行動するのと人様に助けていただこう、というふうに思えるようになった。
★17日の日記で紹介したMさんからの便りをパソコンの音声ガイドで読まれた同病のRさんが「懐かしい盛岡弁を嬉しく聞いたから・・・」と便りが届く。昨日の“注意日”を頑張って乗り越えねばと思った時に『Rさんだったらどの様に対処されるだろうか?』とか『みぞさん、ここはユックリ注意して歩きましょう!』と手を取り単独行への実地演習をしてくれたKumoKazeさんの優しさをおもいだし、想いは巡っていた。
便りには、パソコンの音声ガイドは盛岡弁が左程上手でないけど・・・と添えられていた。

      ひとり歩き 〜 近況へ つづきます 

21(月)
天気予報通り、雪が降っている。いよいよ冬の到来ではないのか?とみえこに問うと、今日から冬になったと云う。ヤギの家族に会いに行くと小屋の外に四人でかたまっている。近づくと父親の『ケン』がやってきて、何か食べるものはないか!!!と柵に足をかけてせがむ。母親の『ノドカ』ちゃんは子供らと父親の様子を眺めている。子供ら二人は大震災の翌々日に生まれた男女で、女の子は非常にヤンチャで柵を乗り越えて冒険することがシバシバあるそうだ。子供らが生まれた頃はまだ雪が残っていたから寒さに強いのか元気にしている。★昼前に雪は小降りになり青い空が顔を出しているが、ヤッパリ本格的な寒さで昨日より10℃低い気温だ。その後、陽射しが照らしたり、黒い雲が雪を降らせたり、クルクルと変わる空模様。こんなに目まぐるしく変わる天候は秋かもしれない、と云うみえこ。この寒さは冬だと思うがなあ。★町に出かけると、まだ日があるのに1℃の温度表示だ。工房でなく、リビングのコタツでギターを弾く。五十肩には痛みを感じる角度だが弾き始めれば忘れる。明日の朝は更に冷えるらしいぞ。既に冬だと確信しているのだ、俺は。


22(火)
うっすらと雪が積もる朝で、矢張り寒さがこたえる。ウォーキングで見かけるアチコチの林も葉を落として寒そうに見える。よく見かけるし、よく耳にするのに、その存在と名が一致しなかった。この辺りでは“からまつ”の林はポピュラーで、周囲の丘の稜線に見かけているが、その名前が判るのに随分時間がかかった。★何年か前にブログで紹介したが、アメリカの楽曲の詩の中に登場する鳥の鳴き声が気になったことがあって、丁度今頃聞き慣れぬ鳥の声に導かれて辿り着いたところに“からまつ”の林がありHank Williamsの名曲『I’m so lonesome I could cry 』の一説を口ずさみ、初来日のGlen Campbellと共演した若い日を思い出した。その目に親しんでいる木が“からまつ”だと講座の方との会話で、やっと判った。画像と可愛いマツボックリを見せて貰った。★ふとした音声から忘れていたことを思い出すキッカケになることが最近よくある。言葉をもたない生き物の声は殊更心に何か特別の届き方をするのだろうか?

23(水)
『毎日見つめるとナカナカ大きくならない』と横目でチョコッとだけ眺めていたが、今朝はじっくり見てしまった。カメラに収めパソコンの大きな画面で見ていると、直径は何センチだろうか?と実際に把握したくなりメジャーも持ち出し再び外に出て計ってみると約6cm。更に大きくなって“風呂吹き大根”や“おでん”として賞味する己の姿を想像してニヤニヤ。来月の中頃まで見守ろう。★うっすらと陽がさして、ぼんやりとした暖かさを感じる風に乗ってヤギの家族の長閑な声が届いてくる。ケンとノドカ、子供達がハル(陽)とノゾミ(希望)だったかな?。震災直後に生まれた子ヤギらの名は近くの小学校の子供らが学校中で考えて、想いを込め命名し、オンと字にこだわったらしい。心があったかくなる子供らの眼差し、聞こえてくヤギたちの声。★大分葉を落とした裏の林のアチコチでも幼い鳥の声が響いている。その一つの、『ッチッチ』という鳴き声が突然、『イーヤ!イーヤ!コリャイーヤ!』と妙に調子よく聞こえる声に変わり数回繰り返している。親鳥が素敵なものを運んできたのかな、と想像し思わず笑ってしまう好いサウンドだ。★親孝行の子供の便りが遠方より届く。昨日の朝に比べると左程厳しい寒さではないのかなあ、と感じるのは大根の成長を見届けホッとしただけだろうか。アリガト。★午後になってトムジェリ時代の“ 日本民謡 in New Coutry ”の♪ソーラン節♪がYouTubeで聴ける!との便りが届き、聴いてみた。懐かしい!若い日の1ページだ。TAKE1で録った音源だったように記憶が蘇る。アルバムのジャケット!二十歳代の姿だ!この頃はYAIRIを弾いていたかな?どなたが載せてくださったか判りませんが、心より御礼申し上げます。有難うございます。
       お聴き下さい 

24(木)
朝はこの猫に起こされた。飼い主の仕事の都合で暫く子猫を預かることになった。真っ黒で足元に居ると、うっかり踏みつけてしまいそうなチッチャな仔で名前はルーシー。空腹なのか遊びたいのか俺の布団の上に来て、ナンダカンダ訴えていた。今も工房に立てかけてあるギターのケースにチョコンと乗って窓の外を見ている。ニャンコと暮らすのは初めてでどの様に付き合ったらいいのか、皆目わからないので『まあ仲良くしような』程度の挨拶で一緒に居る。☆昨日家族と離れて寂しがったらどうしようか?と気をもんでいたが、此処の環境の把握に気を紛らしているようだ。窓枠に移動して外の状況を確認している。聞くところによると外には出たがらないニャンコらしく、家の中では俺の行く処について来る。小さい身体なので運動も家の中の移動や冒険で“オッケイ牧場”だそうだ。★皮をむいて吊るしておいた柿が見事な干柿になった。吊るした頃は暖かい日が続いたので心配したが、その後寒い風に当たり、甘〜い干柿になった。中がとろ〜っとした口当たりで市販のものとは一味ちがう!渋柿がこんなに美味しくなるなんて大いにタマゲタ。


25(金)
道路に出て日向ぼっこしていたら、急に寒くなってとぐろを巻いたまま動けなくなったヘビを見つけた。そろそろ冬眠だというのに、暖かい陽射しに誘われて道路に出てきたのだろう?車につぶされない様にと思うが傍に寄れず、おろおろと無事を祈る。寒いんだから安全な処に居なきゃ駄目だぞ。★工房の窓辺の例のデッカイクモ、今朝も頭を下に向けてジッとしている。背景の樹木が葉を落としたので空が大きく見える。★昼近く、みえこの弟と、家族と離れているニャンコを乗せて早池峰をドライブ。大震災で飼えなくなった生まれたてのルーシーは車に乗ると何処かへ貰われていくのを繰り返した様で、車は不安になるらしいが、家族と離れたばかりで独りの留守番は辛かろうと、ケージとトイレを載せて約三時間のドライブ、如何に感じたろうか?早池峰神社の横の道を登ってゆくとゲートが閉まり通行止め、雪も積もっている。辺りは身体が引き締まる寒さ、スッカリ初冬の佇まいで大粒の雪がちらついていた。帰りに大迫で久しぶりにFさんの蕎麦を食う。食後の珈琲を勧められ頂戴する。店のおじさん、おばさんも元気そうで何よりだった。

26(土)
白い細長い綿毛が、時折顔を出す陽の光と風と仲良く遊んでいる。以前見たときよりフワッとふくらんで暖かそうな綿毛。葉は鮮やかな赤で枯葉色の景色に色を添えている。★この家に大分慣れたのか?、にゃんこのルーシーは俺が工房に入ると『一緒に居るから』と付いてきて冒険している。アチコチの高い場所に登っていたかと思うと狭い処に潜り込む。首に小さな鈴を付けているので動いているのは判るが、足元にまとわりつき、踏みそうになる。今はピアノ、ギターケースをつたって窓枠に座って網戸越しに外を見ている。☆珈琲を淹れに立つと、気が付くと傍に居て興味深そうに見ている。じょにこはチャッチャッと足音で判ったがルーシーは黒装束の忍者のように居るので時々ギョッとする。★空気が暖められ立ち上る気流ができたのか上空を白鳥がカスレタ声で鳴き合いながら飛んでいる。地上では人の赤ちゃんの声が応えるように大きく響く、静かな午後。

27(日)
暫く預かることになったニャンコ、ルーシーの生い立ちを聞いた。大震災で飼育が困難になりダンボールに入れ、見つけた人に託され救援団体経由でやってきた。大分慣れてきたのか俺の膝に来て手をペロペロしたりするようになったのでカメラを向ける。なかなかの美形だと、ニャンコに詳しいみえこは云う。家から出ようとしないが、家の中で走りまわったり、オモチャに戯れたりで運動は十分らしく、今は陽の当たる窓辺で気持ちよさそうに外を見ている。★今回、ほうほう日記の『見出し』からリンクさせて貰っている♪ ソーラン節 ♪について問合せを頂戴している。トム&ジェリーズの一枚目のアルバム『日本民謡 イン ニューカントリー』に収録、カントリー界ののツワモノにまじり奮闘するルーキー時代の音源。時々聞こえる針の音、懐かしいレコード・ジャケットの写真を見ながら演奏を聴いていると当時の世界へ瞬間移動する。超過密スケジュールで活動していたので慢性的に風邪気味だったが、これは珍しく鼻声ではない。このレコーディングではステージ用のYAIRIとくGIBSON、DOBEを弾いていたと思い出した。★庭から室内へ取り込んだアボカドの鉢に、種子をつけたケヤキの枝を発見。裏の林から飛んできたのだろう。窓辺の小鉢に植えておこう。種子に記憶された“ケヤキの想い”。北側の陽の当たらぬ窓から外の世界を見ていたルーシーが振り返っている。しあわせなニャンコになるんだぞ。


28(月)
家の周囲にも沢山落ちているケヤキ、その殆どに種子が付いている。五線紙の上に置いて接写で撮ってみた。元気に葉を広げている大根にも落ちているし、そこいら中に落ちている。東京でもケヤキは並木になって落葉が風で寄せられているのを見たことがある。しかしヒラヒラ、クルクルと舞い落ちる枝付きの葉に種子が付いているのは知らなかった。こうしてじっくりと間近で見ようとするのは講座の教室から見事に降り注ぐ様子を毎年見たからだろう。去年食べて種子を植えて芽生えた鉢にケヤキの種子を置いて水をやる。もし芽が出たら盆栽で育ててみたいと、盆栽の何たるかも知らずに思うのは何故だろう。★ルーシーの首に小さな鈴を結んである紐がキツクなっていると気付き、みえこに少し余裕をもたせた紐を新調させた。家に来た時から時々首をプルプルさせていたのだ。蹴飛ばしたり、踏んづけるとしたら視野が狭くて黒色を認識しにくい俺だから「鈴を付けといておくれ」と指示していた関係上チェックしたのだが、緩めになって具合は上々のようだ。夜中にトイレに起きた時に擦り寄ってきていた。★黒ニンニクを作ろうと植えつけたニンニクだが、ビニールで土を覆うマルチを施す方法もあったらしいが・・・。

29(火)
トムジェリで『日本民謡 イン ニューカントリー』を収録したのはNeil Youngの Heart of Gold に出遭った頃で、ライブハウスで直ぐ歌っていた。当時担当していた月刊音楽誌『新譜ジャーナル』(自由国民社)の『ギター実践教室 “ONE POINT GUITAR”』の課題曲として載せて紹介した。新譜は発売に先がけて試聴できたが、楽譜は送られてくる前なので、聴いて譜面を起こしライブハウスで発表していた。当時新宿のC&Wのライブハウスに聴きに来ていたアメリカ人が、この歌を気に入ってくれて話をするようになり「流行する以前に日本人が演奏できるのは何故だ?」と問うていた。彼も好きだったDon Mcleanの『Vincent』も歌っていたのでDonの初来日コンサートに誘われたがスケジュールが合わず聴けなかったが、後に彼は感想を批評を含め熱く語ってくれた。Neil Youngの最近の演奏をyoutubeで聴く機会があるが実に好い。若い頃から音楽への想いを大切にしている真面目さは頭がさがる。

30(水)
朝から暗い。黒い雲が空を覆って昼だというのに日没寸前の雰囲気。ネギと大根だけになった畑から見ると周囲はすっかり冬色景色。★盛岡の音楽仲間が便りをくれ二−ル・ヤングの『ハート オブ ゴールド(孤独の旅路)』は若いアーティストも演奏していると知らせてくれた。二十歳代でこのような詩を書き、演奏スタイルも変わらずに歌い続けるニールの姿勢はカッコイイ!Youtubeでは初期、現在とのライブ演奏を比較できるので是非鑑賞してほしい。★居候ニャンコのルーシーが家の中を猛スピードで走り回っている。先程はテープルの上に飛乗りお茶をこぼしたのでコラっと叱られた。辞めさせたい行為をしたら水をスプレーで顔に吹き付けるようにと預かる時に云われていたので、スプレーを探していると別の場所に素早く移動して澄ました顔をしている。トイレの躾はバッチリなので、素早くスプレーすれば禁止の意味が判るのだろうが、こちらが素早い対応ができずにいる。

      
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