2011年 5月 ほうほう日記

 1(日)
大震災当日にできた、家から1kmのR283(R456)の亀裂(その後何回かの作業でアスファルトを亀裂に埋めてある)をカメラに収めた。地震直後は幅が約20cmのギザギザの割れ目が口を開け、上下に10数cmの段差ができていたが、続く余震も加わり徐々に海側の手前が北方向にずれ沈下も増したようだ。この亀裂を見て、隣の地区に住む息子の家に急行、家族の無事を確認したがボイラーの破損で水道が使えぬと判り、暫く安俵の我が家で一緒に暮らすことになった。東和町内の道路に幾つかの亀裂があるのが判る。大分経って我が家の庭にも、当時は雪に隠れていたが幅数センチ、長さ数mの地割れを見つける。これらの亀裂を見る度に揺れの恐ろしさが蘇ってしまう。三日後の電力回復で届く沿岸の被害の映像に絶句、続いて原発の事故が明らかになり愕然。日が経つにつれ無力感のなかに自らの『壊れたこころ』を意識するようになるが、去年から花巻市福祉協議会、支援センター、障害者家族会らと準備していた障害者仲間の社会参加促進の行事をを予定通り、かつ甚大な被災へのチャリティー、支援を兼ねて活動しようと決め、ソロライブ、『みんなで歌おう』をそれぞれ一時間つづ行った。ガソリン不足の大変な時期だったが工面し、又自転車や徒歩で大勢が参加、互いの無事を確認、声をかけ合うことの大切さを知る。
未曾有の災害から、二つの月が過ぎ五月になったが、皆、抱える“内なる被災”を如何に修復するかを悩んでいる。手に手をとって互いに生きながら見つける長い作業になる。


 2(月)
先週、夫婦揃って風邪をこじらせているので気分転換にと長女が花見に誘ってくれ北上の天勝地を歩いた。満開だった。花見客で大混雑するのが苦手で近寄るのを避けていたが、初めて見事な花を堪能した。帰りに年一度訪れる野の花の咲く場所に寄ってみたら、福寿草は終わっていたがカタクリやショウジョウバカマの花が迎えてくれ感激した。一月に出産した長女、孫や花たちに元気を沢山貰った。


 3(火)
花には会えなかったが、ふくらんだ福寿草の種子のようだ。初めて見た。春一番咲きなのに、もう種子をつけて、何か大切なものを示してくれる福寿草だと思う。★昨日の日記を書いた後で、3曲の歌詞をプリントアウトしようとyoutubeから3曲目を聞き取りタイプしていたらパソコンがフーとうなって突然ダウンした。久しぶりに古いパソコンで音楽を繰り返し聴いたので『疲れたよー!休みた〜い!』ってなったようで、再び電源オンにして思い出せる歌詞をメモ帖にタイプしてワードに貼り付けていたら“復活しましたよ”という表示があるのに気付き、クリックしたらホントに残っていて少し手を加え完成した。サバイバルした歌詞をプリントし読みながら「お前もやるじゃん」とパソコンを閉じて、日記もアップしたつもりで寝てしまった。★今朝、長女が枕元で「来たよ」と云うのでビックリ目覚めた。昨日の作業でパソコンだけでなく、俺も疲れてたんだ。娘は最近圧力鍋料理に凝っていて、持ってきた五目豆をつつき朝食をすませ、孫に初めてギターの音を聞かせると興味津々の様子。22(日)の『るんびに祭り』の出演依頼があるので娘のレパートリーのイントロを弾くと、私の指先をじっと見ていた。出産による声の問題なく母親の歌になっていた。


 5(木)
何時か見た、あの桜は何処で会えるんだっけ?確か、この道を上がって左に折れて・・・と記憶を頼りに会いに行ったら、まだ花が咲いていなかった、先週のことだった。今回こそバッチグーだろうと意気込んで行ったが、案の定、道に迷って辺りをひと回りして、花盛りに辿り着き会ってきた。岩手暮らしの十二回目の春になるが、遠出することは殆どなく、近場に気に入った処に咲き始めるそれぞれの花に会えるのは幸せだ。今年は花には間に合わなかったが、初めて実を結んだ福寿草に会えたし、新たに出逢えた野の花の美しさに心が動かされている。


 6(金)
蕗の薹が開いてカタクリの花の蕾と話をしているように見える。忘れていた春がチャンと来てくれているのに気が付いたのは、長女が誘ってくれた北上の天勝地への花見で「こんなに咲いているんだ!」とビックリした。桜並木の下の水仙の花も綺麗だった。翌日には東和の桜も開いて、様々な花が次々に咲いている。風邪をこじらせ家に閉じこもりがちだったので、外に目が向いて北国独特の“春の息吹”に助けられている。長女は一月に授かった元気な男の子から沢山の元気なエネルギーを貰って、それらを嫁ぎ先のご両親や我等に届けてくれているように思う。明るい春の訪れ、有難いことだ。


 7(土)
今月のライブは、22(日)昼『るんびに祭り』(石鳥谷)、夜ダイニングバー・マル(北上)、28(土)せがわ京染店(花巻)。それぞれ震災で被害の大きかった地域への支援ライブで、『るんびに祭り』へは産休していた娘と参加します。★せがわ京染店に打ち合わせに伺った時に魚の練り物を頂戴した。津波の被害に遇った工場の製品で非常に美味しくいただいた。せがわ京染店の『銀河夢小紋ハンカチ』は人気が高く“日本商工会議所会頭賞”受賞の品です。★友人達からご当地ご自慢の桜の便りが届く。『里山の一本桜』『白粉の香りの桜』『絹の手触りの桜』など等、花への想いは見る人の数あるのだろうなあ。五月の若葉に沢山の人達が元気になりつつあるようだ。マッコトその通りだ。何時の間にかアスパラガスがニョキニョキしている。気が付けば春盛りだった。★夜になって雨、近辺はカエルの“歓喜の大合唱”が聞こえる。


 8(日)
桃の花盛りを見ながら、野菜畑を考えている辺りに草が生え始めているのに気付き丈が伸びる前に草刈をと新しい鎌をおろし、作業ジーンズに履き替え開始。が鎌が直ぐに破けてしまってビックリ、未使用なので値のシールにボヤイテ結局、大げさだが長い柄の使い慣れた大型の鎌で再開した。慣れたものはイイなぁと調子が乗った頃、新顔のスミレのような群生している可愛い花を発見、暫し見入る。初めて逢った野の花だ。先日知人が云っていた「コブシが咲くと農作業の始まりですからね」という言葉が妙に響いて、野菜畑の準備を始めたのだが、こうなると刈れないなぁと尻込み、みえこを呼び見せ、お仏壇に供えようと提案。彼女も気に入ったようで周囲の草の葉や水仙を添えて花束にしていた。草だけを刈って数日したら耕して、コンポストの中身をすき込み、野菜の苗を待とう。


 9(月)
タンポポの群生を見るようになった、と思っていたら大分前から咲いていたようだ。家の近くの土手の斜面にはタンポポの綿帽子がイッパイで『飛行準備完了だよ』という風情。今夜から雨になるらしいので草刈した処の土をクワですき込んで、手足がガクガクしている。ミントが根を張っているので土を返すのが厄介で度々の休憩をしながらだったがアッという間に腰に来ている、明日が思いやられるので、後半は庭に座り込んで草刈をした。ブラックベリーの株が随分増えている。


10(火)
まばらな乗客だった釜石線が通常に近い状態になりつつあるようだ。帰りの盛岡発は新学期を迎えた学生も多く久し振りに込み合っていた。津波で壊滅した高校では復旧まで、代行のスクールバスで片道最長三時間の通学、1時限と6時限はバスの中で行うと報道されていた。それでも明るく、頑張っていくと語る生徒達は眩しかった。★失明の仲間から『5月の若葉や花から元気を貰って、少しづつ回復しているよ』と便りを頂戴する。仲間の激震時の恐怖の大きさは計り知れないが、花に触れたり、若葉の微妙な香りから感じ取る力って凄いなあと思う。生きる力だと思う。庭イジリの筋肉痛にトホホと感じながら、元気を頂戴している。


11(水)
今年は野菜を育てようと草を刈り、土を起こして強烈な筋肉痛は今日も続いているが、掘り起こした土を砕き、増えてしまったミントや毎年元気な草の根を取り除く。同じ作業ではシンドイので草刈りと交互にやっていると、我々の移住と同じ頃に釜石から戻られたご近所さんが来て、農作業(?)の初歩をあれこれ教えてくれる。丁度良い機会なので、数日前から疑問に思っていた土起こしに使っているフォーク状の農具の名は何だろうと聞こうとしていたら「これはクワだね」と仰る。クワかスキのどっちかだろう・・・と言葉にする前に返事をされ目茶ビックリしていると「子供の頃よく摘んで食べたよ」と植わっている桑を指していると判る。何ともスゲーェタイミングだ。話が今回の震災に移り、住んでらした家は堤防から100mだったから跡形もないんだよと教えてくれた。東和に越していたから命拾いしたよ、と仰る。


12(木)
掘り起こした土を砕き草の根を取り除いていると、昨日のご近所さんがいらして「ネギ、好き?」「大好きですよ」「いい土になるようだから、植えるといい」とご自宅の畑を指差し仰る。「横にして植えると曲がりネギになるから」「有難く頂戴します」と土に活けた。『曲がりネギ』というのは東京ではお目にかからぬネギで旨みや甘みが強いネギで好物だが、さてさて畝をどういう風に作ったらいいのか、皆目判らない。野菜も花もプランター以外は適当に耕して平たく育てていたが、この際勉強しようとネットで“畝の意味”から調べた。何と奥深い!『水平に作るので水引糸を張る』と始まる。「素人だから適当にやろう」と先を読むと、水平でないと水はけ状態か変わり、硬い処が出来て作物に影響するとある。目からウロコだ!畝とは通路と作物が育つ床と両方を指すようだ。ヒェ〜知らずにいい加減にやっていたんだ。店を閉めたので野菜でも作ろう、と軽い気持ちで鎌を研ぎ、スキだかクワだかで土を起こしていたら素敵な事に案内されている。「野菜の苗を植えるには霜が降りなくなるまで待つんだよ」と教えも頂戴した。暫く土を耕し、筋肉の痛みを堪えねば、嬉しい!!!けどイテェ〜!。


15(日)
『みどりのゆび』のリュックさん、せっちゃん達が丹精している東和温泉隣の庭に沢山の花が咲き始めた。暫く歩くとアケビの花が咲いていた。「そんな季節になったんだね」「今年も不思議な色だと思うよ」、好きな花に逢えるって嬉しいなあ。★金曜日に雨が降って『土起こし』している部分が水浸しにな『晴耕雨読』か?とネットで土づくりや畝づくりについて調べていて休憩時間に懐かしい楽曲を耳にして、『ほうほうファミリー・バンド』で演奏しようと思い立ち、譜面を書いていた。細かいフレーズのコーラスを勉強するテキストになるだろうと、子供らには相談せず二日間、工房のテーブルで五線紙に向かっていた。★ステージデビューの頃に聴いて好きだったコーラスものだったが、取り上げる機会がなかったCSNYの『Teach Your Chidren』。デビュー前のTVでは来日した海外のミュージシャン達の演奏を伝えていて、ラジオやレコードで聴いた音楽とTVスタジオ演奏の違いに一喜一憂していたが、ダントツのサウンドの“ホリーズ”のメンバーや、バッファロー・スプリングフィールド”のメンバー達も加わっていたので聴いてすぐに素敵な音楽だと感じ、嬉しく思っていた。次の世代に伝えたく、工房のテーブルは消しゴムのカスでイッパイにになっている。若者たちは如何に感じるか、楽しみだ。★気持ちの良い晴れ間になり、すき込みと草の根取りをやっていたら、膝の痛みを抱えているお隣さんが「耕す姿を見ていたら動きたくなったの」と仰りながら農作業を始められた。あっという間に畝を仕立ててネギを植え替え。流石年季の入った作業で、大いに参考になった。


16(月)
山吹の花。★頂戴して土に活けていたネギを植え付けた。シッカリ土作りをしてからと思っていたが、既に出回っている野菜の苗の数が例年より少ないと聞き、決行してみた。昨日拝見した作業を真似たつもりだが・・・。花壇を整えようとスキだかクワだかを使っていたら柄から先っちょが外れた。何と打ち込んでいたクサビが外れ、探したが見つからない。そのスキだかクワだかをかかえてホームセンターに走り、探してみたら、有った、\150也。嬉しくなって、野菜とみえこ担当の花の苗も見て、素人でも育てられそうなものを買い求めた。調子に乗って、更に畝を作って植えようとしていたら、凄い雷が鳴りザザっと大粒の雨が降ってきた、「丁度良い具合だ!」と鉢の土が乾いていたアボカドを雨の中に出し天からの水を頂戴し軒下だ待機して、止んだので作業をするかと意気込んだが、今度は土砂降りになった。『植える苗についての基礎知識を知るべし』と案内されたような気になって今日の作業を終了。★昨日、譜面の清書を終えていたがベース4拍を1小節だと子供らにはシンドイのではと1小節ベース2拍に書き換えた。楽譜に慣れる良い機会になると思いつつ。
外はカエルの『歓喜』の大合唱だ。


17(火)
盛岡のお城の堀際に咲いていたカグワシイ花、画像は白っぽくみえているが実際は黄色だった。講座に通うようになって春の香り一番手。花期は短くジャスミンのような香りでツツジのように見える、果たして何という花だろう?昨日農作業をしている時も、風に乗って何処からかイイ香りが漂ってきた。香りの季節なのかな?虫たちも忙しくなるのだろう。★明日も晴れそうなので、畑のレイアウトを考え、畝をつくり、昨日買い求めたトマト、ピーマン、ナス、カボチャの苗を植えてみようと思う。ニラ、サニーレタス、小松菜、パセリの種子蒔きにも挑戦。遅霜が降りないよう祈りながら。


18(水)
青紫のツツジ。講座の帰りに、お城の公園内で見つけた。嘗て見たナンブムラサキツツジに比べると青が強く、花弁が細いように見える。キョロキョロすると他にも沢山の花が様々に咲いていてウットリ。通り過ぎるだけでは勿体ない。来週は時間をつくってユックリ散策したいなあ。★東和の山の若葉が少しづつ色を濃くして、フジも咲き出しているようだ。“微妙な色合い”が目に映る。都会で生まれ育った者には、この時期の言葉で言い表せぬ佇まいを伝えたくて歯がゆく思う。★野菜の畝をつくり、土を耕し、雑草を取りながら、野菜畑を進行していく方法もあるそうで、それなら失敗を繰り返しながら勉強してゆく“素人向けの土へのアプローチ”かなと思って、野菜の育つ様子を思い浮かべながら畝作りのイメージを、昨夜膨らませてみた。幸い、今日は穏やかな良い天気なので長靴、ジーンズ、鉢巻で一仕事しようと思う。☆例の耕すフォーク農具、未だに名が判らず連日使っているが、柄が短いので疲れるのではないか、と日頃の運動不足を棚に上げて思う。腰が痛いので、マメに休憩しながらナス、トマト、ピーマン、カボチャを植えつけ、種から育てる苗床用にと土を耕す作業を続けた。タップリ5時間の作業でヘトヘト。勿論長い度々の休憩を含めての話。★来月花巻市のシニア大学で、テーマ『音楽について』の講演の依頼、お受けした。


19(木)
初めて見つけたクワの花。目立たないというより、若葉にアブラムシが集まっているのかな?という感じ。ということはクワの実と思って食べているのは、一つの実でなく、集合体なのか?
排水溝とフェンスの土台との隙間に生えてきたクワを見つけ、広い所に植え替えて、一昨年から実をつけるようになったクワ。枯れてしまうと心配したが、大きくなったなあ!随分頑張ったなぁ。今年は葉っぱを貰って“桑の葉茶”にしてイイかな?!
画像の背景は田植えしたばかりの田んぼ。心がほっとする景色だと、毎年思う。★機械で田植えし、空いていた処に手で植え終わったご婦人二人が、捻り鉢巻で、マッコト手際悪く、フーフー作業している私の野菜畑をご覧になり「毎日、精をだしているねぇ!」と声をかけてくれた。脱走して鎖を引きずっているワンコを何度か散歩して小屋に帰したお宅のご婦人たちで、田植えを完了した達成感のせいか普段より一オクターブ高い声である。「毎日頑張ってたねぇ!」「見よう見まね!ご近所さんに教えてもらって、やってます」「トマトを植えたの!」「『霜が降るかも知れないから』って囲ってくれたのもご近所さんです」「あら、優しいねぇ」。野菜畑にクワを植えて!とは一切仰らない。お隣、ご近所さん達の優しさ。大きに有難い。


20(金)
ご近所の田植えを終えた田んぼ。田んぼに水が入り、土の匂いと草木の花や若葉の香りが混じってイイ匂いの景色に、鼻をヒクヒクさせながら、野菜の種子を蒔く苗床をアタック。☆アタック!と言えば“児玉 清さん”が亡くなったニュースにファンである我等はガックリしているが、児玉さん若い血気盛んな頃のエピソードを伺い「あのお上品な児玉さんも・・・」と嬉しかった。独特の眼差しで“アタック・チャンス!”と仰る姿が目に浮かぶ。★夕方までのライブを終え、再度深さ30cm位の溝を掘って、堆肥と油粕を混ぜ、土を平たくかけて、小松菜、ニラ、サニーレタス、パセリの種子を蒔く。そして仕上げは目の荒いフルイで土をふるって覆い、完了とする。黒い雲が登場。雨になるか?最近の雨はドヒャーっと降るから、種が流れか?新聞紙で覆うか?・・・と迷っていると、友達の中学生が下校してきて、話し込む。背も高くなり、声変わりしているが、移住直後、じょにこと散歩していると自転車に乗って登場する幼子だった、今はテニスを楽しんでいるそうで大会も間近ですと話してくれ、気付くと暗くて新聞紙で覆う作業は無理。トマトの横にバジルの苗を植え、今日の作業終了。『Hurry Sundown』『Green Leaves of Summer』の耕す、土をすく、等の英単語を想い浮かべながらの作業もヤット一段落。周囲の緑も濃くなってきた。カエルの合唱が一気に始まる。雨の具合は如何に?。

★22(日)のダイニングバー・マルでのライブ、急で申し訳ありませんが、延期になります。日時が決まりましたら、改めてお知らせ致します。尚、同日の『るんびに祭り』での演奏は、11時40分からに決まりました。どうぞお出かけ下さい。


21(土)
朝起き、畑を見ると雨が降ったようで表面が湿っていた。「昨夜は大分咳き込んでいたけど、大丈夫か?」と声をかけられるが、蒔いた種子が気になる。幸い程好い“お湿り”のようでホッとする。先日のような激しい雨だと畝から流れてしまうが、数日で発芽するモノ達なので、お陽さんの恵みに期待して、新聞紙の覆いをせずに様子をみようとインスタント珈琲を味わう。★今日の天候は雨っぽいので畑仕事は休み、今回起こした『Teach Your Chidren』の譜面で、細かいフレーズの“読み方”を入り口にして音楽の楽しみ方を伝えたい。本音を云えば、痛む筋肉が『今日は無理だよぉ!』と叫んでいる。午後に集まる子供らとは豆をひいて旨い珈琲を飲むとしよう。思えば、この名曲を親子で構築できたら、何とも嬉しい。正に“伝える歓び”と云えるだろう。両親から私に、私から子供らへ。親父はエラク、イキゴンデいるようだ。★花巻市シニア大学、同窓学院で『おもしろ音語り(音語り)』というテーマで講演することになり、書面が届いた。野菜を育てようと、捻りハチマキで土お越ししている姿を通りかかった大学の担当の方がご覧になり「カッコいいじゃ!」と冷やかされ、シニア大学の皆さんに音楽談義をと勧められた。この方は長年市の行政で素敵な仕事をされ、リタイアされた現在も文化活動に精を込めてらっしゃり、公私にわたって良い刺激を届けてくれる友人でもある。★息子の家族も加わって午後の珈琲タイム。細かいシンコペーションに苦労して、一際旨かった。三歳になった孫はゼロ歳の従兄弟が可愛いようで、大いにお姉さんしていた。


22(日)
目覚めると雨音、雨樋を流れる音もハッキリ聞こえる。この雨では『るんびに祭り』での演奏は室内か!とガット・ギターを準備する。続いて畑の具合が気になり、見に行く。種は流れる程ではないようだ。★雨が上がるが、寒い。朝食をとり、息子の家族と出発。息子の運転でR456をR4方向へ左折すると友人のお寺を見つけた。「此処だったんだぁ!ご無沙汰してるけど、お元気だろうか?」。★新しい東和小学校の運動会、みんなで練習していたのに延期。災害地への支援しようと企画した『るんびに祭り』は直前まで降っていたのでステージは講堂ですることになった。前半は軽くソロで歌い、娘を呼ぶ、4ヶ月の孫とビデオカメラを向ける夫の前で緊張するかと心配したが問題なし。途中で息子がカホンで参加。短い練習だったが楽しく音楽できた。『るんびに』での演奏は毎年楽しみにしているが、今回も多様な楽しい反応で、大いに元気を頂戴した。職員の皆さんも、有難う!。終演後に園長先生と今後の障害仲間達の社会参加の連携を話し、快諾を頂戴した。★暗くなる前に畑をジックリと見て、今後の計画をたてようか。


23(月)
毎年目を奪われる林檎の花。咲いている白い花もイイが紅っぽい蕾が何とも可愛い。林檎の花を始めて見たのは岩手暮らしを始めた数年後だった。形や色は桜の花に似て、蕾は林檎の方が紅が濃く、ふくらみ初めても外側の紅赤が残り独特の風情。完全に開くと何故か白くなる。★例年は茂る草にかくれて気付かなかったが、今年はアスパラガスにテントウムシのようなものが来て、芽の先を食べているようだ。みえこが「木酢液がイイのでは」と水に薄めて噴霧したが、果たして効果の程は如何に?☆去年出来上がったコンポスターを明け、別の場所に置いた。黒々とした堆肥になっていて畝の下に元肥として油粕と混ぜて使った。元は店の厨房からでた野菜クズや珈琲ガラなのだが、鳥達が団体で中のものをつつきにきている。ネギの土寄せの時にも使ってみよう。☆土が昨日の雨で湿っていて座れないので、草取りを軽くやったが、腰にくる。毎日続けていた農作業(?)も一段落して、音楽に専念。


25(水)
家のご近所のフジが見事に咲いている。土沢では一番早く咲くフジ。特に今年は房が大きいようだ。☆先週の黄色い香りの良い花はジャスミンではなくツツジだった。昨日、堀の柵から体を乗り出してジックリ確認した。その一帯はツツジが植えられているのだ。香るツツジ。花はソロソロ終わりのようだった。★畑のトマト、ナス、ピーマンに支柱を立てる。風で揺れると良くないらしく、隣のおばちゃんにも進められ斜めに支柱を立て結わく。コンポストの堆肥を土に混ぜ、ネギに寄せる。☆先日蒔いた種子が発芽した、双葉が土を押しのけて開いている。一種類のようで、小松菜か?ニラ、パセリ、サニーレタスは時間がかかるようだ。水路の土手の草を鎌で刈ったので指の筋肉痛 。★グロッセせっちゃんが今日、埼玉に帰るので、リュックさんに宜しくと庭に挨拶に行く。★音楽工房のテーブルには音楽用のパソコン、オーディオ・インターフェイス、ヘッドフォン、五線紙、歌詞が常時共存しているので、HP用のパソコンは普段はテーブルの下にあり、使う時にテーブルの上に登場していたが、専用のラックが来たので移動した。ついでに度重なる地震で落ちていたシングル・レコードを整理。クローゼットの中の箪笥の上から落ちて扉と立て掛けてあった未使用のカーペットの巻物の間でチュウブラリンだったOvationも床の上に移動。絃を外して休ませていたL55もケースに入れYAMAHAのSGも並べて床に、これで安全。


26(木)
昨日、腕を結構な数、虫にさされたようで、作業終了まで気付かずにいて、爪ブラシに石鹸をつけてゴシゴシ洗ったが、今日、その内の一箇所が痒い。大抵の虫刺されはゴシゴシで治るのだが、果たしてツワモノの虫だ。☆四種類の種子、小松菜に続いて第二弾が発芽した。ものは何かと問われても判らない。可愛い双葉が土を押し上げて出て来ている。夕方に水やりして、次の発芽に期待が膨らむ。★四ヶ月の孫を夕方まで預かることになり、出勤前に娘が授乳していった。余り手のかからぬ子だが、二、三時間位経つとぐずり始め、近所をアチコチ乳母車で散歩した。まず例の山羊の親子に会いに。彼らの横長の四角い瞳を撮りたくて動きが落ち着いている父山羊の間近で足を投げ出してケイタイのカメラを構えるが、相変わらず父山羊はオレのスニーカーの靴紐を食べたがり、撮れたかどうか?続いてリュックさんの庭に行き、咲く花達に会ってきた。名の知らぬ花が香りが風に乗せて庭中がイイ香りだった。ニセアカシアやハマユウも香る時期が間近で楽しみだ。散歩から帰って家に居ると、交代で孫をあやすが俺の順番になると何故か泣くのだった。結構疲れた。


27(金)
バッチリ撮れていた。山羊の瞳は細長四角のボタンホールのよう。靴紐をかじられながら接写に成功!角でゴツンゴツンと駄々をこねる父山羊のケン君にご褒美、撮影後足元のクローバーをちぎってドッサリ食べさせ落ち着かせた。何回も『おかわり』して旨そうに食べていた。大震災の翌日に生まれた二頭の子山羊も可愛い首輪をつけワイヤーで繋がれている。ついこの間までリード無しで母さん山羊にまとわり付いて離れずにいたのに体も大きくなり、角ものび、鳴き声もか細い“え〜”から山羊らしく(?)“めえ〜”と鳴けるようになった。著しい成長に驚く。★今日の東和は突風が吹きまくっていて、ひとつだけ仮の支柱を立てない程小さいナスの苗もストレスを感じるだろう、と斜めの支柱に結わえておいた。雨で延期した近くの今年度開校の東和小学校の運動会は明日だそうだが、天気が気になる。応援の練習だろうか今日も太鼓の音が聞こえてくる。


28(土)
アジサイが咲いてる。日本の紫陽花ではないのよね?ガクアジサイっていうのかい?白が綺麗な花色になってイイね!☆今朝起きた時から雨、運動会は、又延期かな?子供らは疲れちゃうね。否、待てよ窓から聞こえるのはご近所のTVの音かと思ってたが、運動会の音か?!☆今夜のライブ(せがわ京染店さんで、宮澤勝彦さん、XYZの皆さんと)に備えて、ゆっくり準備と思っていたが、昨日泊っている娘は「雫石に花を見に行こう」と張り切っている。★5時間程の雫石方面ドライヴ。山間の雨にけむる気持よい景色のなかで花を見てきた。可愛い『山アジサイ』の苗を見つけ買い求めた。帰りに美味しいパン屋さんでパンと珈琲でランチ。さてさてライブモードの時間だ。せっかくだから娘の歌もご披露するかと考えている。


29(日)
せがわ京染店さんでの昨夜のライブは宮澤勝彦さんが全編オリジナル楽曲と軽妙なトークでトップバッターを務めてくれた。彼とは岩手生活の初期に吹張町の『フラニー』で出会って以来の付き合いで独特の音楽を展開。続いてXYZ、メンバー一人が仕事で遅れて参加、若々しいグループです。☆『みんなで歌おう』のご婦人仲間は開演前から最前列で応援してくれた。☆アンサンブルを聴いた後なので娘(孫をみえこに預けて歌った)、息子(運転手、PAで頑張ってくれた)と“ほうほうファミリー・バンド”の『The Rose』『Desperado』で幕開け。3.11以降の心の動きを語りながら音楽させていただく。最後は『上を向いて歩こう』を皆で歌う。☆終演後永らく会えずにいた仲間Kさんと再会。沿岸の被災地各所で支援活動を続けていると話してくれた。みえこから後で「ずっと泣きながら聴いてくれていた」と聞く。今回もKさんとの不思議な出遭い。『ほうほう』時代からの仲間達も来てくれ、ご来場の皆さん全員ににMegが描いてくれたサンクス・カードを彼女自身が手渡してくれた。みんなに会えてよかった。★かなり激しく雨が降ったようで畑も花壇も清清しく、葉っぱ達ひとりひとりに声をかける。昨日植えた“山アジサイ”のチッチャナ存在が愛らしい。★メバル、サバをドッサリいただく。メバルは煮付けかな?!〆サバに挑戦してみよう。★午後買い物で出かけると野菜の苗が目に付く。ピーマン、ナスを追加し、冬瓜も一つ。


30(月)
連日、夜中に激しく雨が降っているらしいが気が付かず眠っている。リュックさん、せっちゃんが丹精している庭は、散策していると植物との付き合い方を教えて貰っているように感じる。ポプラが気持ちよく風にそよいでいる。東京の家の近くの公園のポプラのそよぎを思い出す。★三十歳半ば、胃潰瘍で上野駅で倒れた。二週間のツアーへの移動日だった。幸いなことに「切らずに半年間通院治療に専念し治そう」と強く勧める医師に出遭えた。「そんなに長く休めません」と訴えると「胃のこの部分に潰瘍をつくる人は、ストレスを受けやすい体質で、切って早期に現場復帰しても、何年か後にはもっと酷い状態になって病院に戻る可能性が大きい。生き方そのものを、もう一度見直しながら治しましょう」とも忠告され、指示に従った。病院の帰りに図書館に寄り、気になる本を借り出し読み漁ってアーダ、コーダと考え始めた。食事の内容を変え、ヨーガも始めた。少し前から原付バイクに乗っていたがオフロード・バイクに乗りたくて普通免許を先ず取り、中型バイク免許をゲットしXL250Rに乗る。何故だか土いじりも始めた。様々な方向へ模索する六ヶ月が過ぎ現場に復帰できた。あの医師に会えなかったら、命を失っていたかもしれない。少なくとも今の自分は居ないだろう。彼は神様だと思いながら、昼前から農作業をつづけた。


31(火)
久しぶりのウォーキングで歩いた裏山の風景。伸び始めた稲が通り過ぎる風を緑に染めているようだ。★食卓に出された『小松菜と油揚げの炊き合わせ』にビックリした。懐かしい東京の味なのだ。どう違うかと云うと“ほろ苦味”なのだ。岩手の小松菜は苦みが殆どないと思う。「旨いなあ!東和町のか?」と問うと、娘と行った雫石で買ったと云う。「違う種類なのか?」「いつも食べているのは、ここまで大きく育ててないと思う」「!」。大きな株に育つと東京の小松菜独特の“苦味”がでるのか?と食いしん坊は畑に芽を出した小松菜を植え替えして大きく育て、タラフク食べる図を想像してニヤニヤしいる。子供の頃は、この小松菜の摘み菜のおひたしが大好きで、大きくなってからは例の油揚げとの炊き合わせが大好物。なにしろ東京では正月の雑煮の青味は小松菜が恒例だったし、細切り肉と小松菜の中華風炒めもイイなぁ。☆『大きく育てて、ほろ苦い小松菜に』を信じて、空いている土に消石灰を混ぜ、梳き込んできた。昨日、物置の棚に消石灰と有機配合肥料を見つけトライしてみた。十日待って、畝を仕立てて植え替えだ。その間は“摘み菜”を楽しもうか!配合肥料は追肥だ!☆チョッと不安。植え替えが出来るのか?大きく育てて食味に問題ないか?ネットでしらべなくっちゃ!今回食べた小松菜の丈を計ると29cm。

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