M.4 内緒にしておこう

現在(08年暮れ)でも、一つ二つの星は見えてます。
「今夜はすごい星空!」という歓声を耳にすると、見える人に様子を伝えてもらって、空を見上げています。そっくり返って結構シツコク見続けますヨ。

東京でも十代の頃、物凄い星空を見たことがあります、流れ星も見えたのです。
今回のCD製作作業中に、その時の、空いっぱいの星の煌めきを見たのですよ。

未完のままで、長い間ホッタラカシ、しかも無題(?)の楽曲を、CD『ほうほうの世界』に収録するため、時を遡って詞の手直し作業中のことだった。
楽曲の状況設定を思い出し、・・・愛しい人と、離れ離れになった男が、彼女も、この星空をみているだろうか?と、見上げる空・・・。新たに星空を登場させた。
この同時に見ているかも知れない星空は、思い出の十代に見た『あの星空』をイメージし、詩を推敲していたら、突然!『星の煌めく音』が聞こえて、想い出の星空に浮遊している自分を感じた。

急いでイントロ部のストリングスにそのスケッチをアレンジ(『ほうほうの世界』では一切譜面に書かず、直接演奏した)。
暫らくの間、異次元に移動していたのだと思う。
果てしない空間にきらめく星たちのザワメキと浮遊感を音描写しました。
3パートのストリングスと管楽器のオブリでイントロを構成し終え、以前と異なる自分を感じた。

何十年も未完のままだった『無題の楽曲』が、一つの世界として誕生しようとする瞬間の出来事。

もし目が悪くなっていなかったら、感じられない経験だと思う。
二十代後半の書き下ろした当初、イントロはツイン・リード(ギターとスチィール・ギター)のハモリでアレンジ。これが五十代ではストリングスと管のアンサンブルになった。
歌詞も試行錯誤した。
書き下ろし当時には、次の歌詞があった。

  眠れぬ夜が明けて もうすぐ朝になって
  僕の心の半分は もう君のところ
  季節が二つ通り過ぎていった
  心に残ったものを 今 数えてる

この歌詞も好きだが、余りにも凄い星空を経験して、2006年時の歌詞は変えたのです。上の詩は、次作に発展させよう。

題名はなかなか、決まらず、苦心の結果付けた題名は、事務所にも「下品だから止しなさい」と言われた題名で、新宿のC&Wのライブ・ハウス『ウィッシュボン』で発表したが、私の数少ない女性サポーター達には、とてもリクエストできないネーミングでした。
愛する人と離ればなれの、長い演奏旅行中の状況を表すにはピッタリの題名と確信していたのだが !
当初の題名を知りたいって?それは、もう少し仲良くなるまで・・・内緒にしておこう

        離ればなれに 暮らしてる間
        ボクは野に咲く花を見つけただけで
        君のやさしさ 思い出したりして
        涙ぐんだりしたんだけど
        これだけは 内緒にしておこう


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