2016年 4月

 1(金)
誰が名付けたかオオイヌノフグリ。洒落のきつい御仁だ。そんなことを想いながら畑の一画に目をやるとイッパイ咲いている。おお、此処にも居るね、此処もだぜ。殆ど花見時だあ。可愛い笑顔が並んでいる。おっ!つくしんぼうも居るねえ。まだちっちゃい土筆が顔を出している。春じゃぁ。パソコンで大きな画像で見ると胞子を飛ばす準備OK牧場って感じだ。土筆のオヒタシ、いいねえ。一回り歩きたくなる陽射しだあ。まだ土の中に居たニンニクがアチコチから顔を出してきている。★ニュークリスティーミンストレルズに居たバリー・マクガイア、そう♪グリーン グリーン♪を歌ってた彼はママス&パパスの♪夢のカリフォルニア♪の最初のレコーディングでソロを歌ってたんですよ。ママス&パパスの音源でも出だしのところで一声残っているので聞いてみて!確か左のチャンネルだっけ。オイラの♪Today♪も大分マトマッテきたので、一区切りにして、オイラ最初のCD『ほうほうの世界』をリマスターしている。この頃の音源は余り色付けしていないので編集しやすい。


 3(日)
岩手でも沿岸で桜の開花だと。田んぼの準備が早いようだ。大型の耕運機が動きだした。例年より大分早いんでないかい。午前中買い物に出かけたらアチコチで忙しそうだ。裏の林で早朝に歌っていたウグイスは日中に歌っている。水仙の蕾もふっくらしクロッカスも咲き始めた。夜歌うフクロウはこの時間は何してるのかな?フクロウの鳴き声に刺激されて音源編集も♪ほうほうの子守唄♪に取り組んでいる。ステージデビューの頃に出逢ったマルビナ・レイノルズおばあちゃんを思い出している。月刊音楽誌の仕事をしていたのでいち早く新譜レコードが聴け、西海岸の若い音楽仲間に囲まれるおばあちゃんのアルバムは好きな楽曲ばかりで、来日公演で使うギターを探す手伝いの時に各楽器店でギター選びをしては、おばあちゃんの歌をうたいまくった。あの当時のおばあちゃんのお歳を越えてしまった。


 6(水)
ムスカリが花を咲かせた。小さな花が一粒ひとつぶふくらんでとても美味しそうに見えるのは食いしん坊だからかな?オイラの持っているカメラはみんな、この青い色を撮るのが苦手のようで、ほんとの色はもっと素晴らしく美しく見える。☆昨夜展開した音楽が思いの外こころよかったのはリスナーの皆さんの存在のおかげだった。やはり人様との出逢いはありがたい。リハーサルから左指がツッテいて結局終演までその状態が続いていた。若い頃担当していた月刊音楽誌のギター講座で述べていた『ギターは力み過ぎないのが最大のポイント』なのだ。今朝起きたら指が疲れていて♪わかっちゃいるけど止められねえ♪とスーダラ節をうなりながらムスカリの花を観賞。ムスカリの花はやさしい微笑みを見せてくれる。ちょっと肌寒い風が吹いているが陽射しがあるので指をほぐしながらちょいと歩いてみようかな。☆音源を編集し始めちまって、ご近所歩きは午後になった。ムスカリに出かけてくるからと挨拶してウォーキングのコースを歩くと、小学生の子供らが遊んでいる。家の前を通学する子らで、中のひとりが手を振ってくれ、オネーサンは綺麗な挨拶をしてくれる。指をグーパーしながら結構歩き戻る。往路では気付かなかった満開の梅に出逢う。風が強いので香りが届かない。傍に寄って鼻を近づけ深呼吸。イイ香りだあ。今年も逢えて嬉しいよ、と声をかけ最後はカフェオーレを目指し早足。


 8(金)
田んぼの周囲の枯草を集めて火を焚く匂いがイイ。田園が動き出す季節。枯草を焼く匂いがかすかに広がり裏の林で小鳥たちが歌っている。窓を閉めて編集中の音源のバックのストリングスの音が外に聞こえるのか、同じフレーズを再生すると、窓辺にやってきて反応する小鳥が居るようだ。☆オイラが小学生から二十歳中頃まで家に居たワンコは、オイラがハーモニカを吹きながらギターを弾くと一緒に歌うような声を出していたのを思い出す。このワンコもジョニ。ギターと歌には反応なしでハーモニカが加わると上を向いてア〜ア〜と鳴いていた。オイラ奏でる音楽に合わせていた、と思っているのだが、もしかしたら『その音止めておくれよ』と嘆願する声だったのか?とも思う。外で鳴く小鳥も縄張りを侵害されたと勘違いしての反応か?


 9(土)
昼過ぎから裏の林で小鳥たちにまじってウグイスがさえずりはじめ、その声を聞きながら音源の編集をしていた。いつもこの時期は練習中という感じだが今年はなかなか上手だ。『お見事!いまのフレーズは最高だよ』と声をかけたくなるが、驚いて飛んでいってしまうのでじっと我慢していたら、次第に窓辺に近づいてきて、いま直ぐ傍で歌っている。編集中の音源♪山家暮らし♪を流したまま窓の中からカメラを向ける。ちょこんちょこんきょろきょろしながら大きな声で歌っている。大変愛らしい様子だ。早速パソコンに取り込み大きいサイズで見る。ナントカ撮れているが、背景と同じ色ではっきり見えないなあ。音源を止めて画像を見やすくしたつもりだが、余り効果はないなあ。そうこうしているとウグイスの歌声は林の奥へと戻っていった。小学生の頃家の垣根で歌っていたウグイスはもっと緑色が濃かったが、此処でもこんな近くで見られる幸運にめぐりあえるとは思わなかった。大きな歌声がこころのなかで響いている。


13(水)
岩手のアチコチで桜の開花。しかし雪が降ったりもしている。北国では梅と桜が同時期に咲くので非常に勿体ないと思う。冬が長いのでショウガナイんだとネイティブの方々は仰るが、東京からの移住者はホントに勿体ないと思い、歩く度にホンのチョット梅の開花が早いので桜が盛りになる前に、梅の花をかぐわしい香りとともに観賞している。今日特にかぐわしい香りの梅に出逢った。オイラの目の位置に枝がある。奥ゆかしい香りだ。今日は時折強い風なので梅の木の下で時間をかけて香りが届くのを待つあいだ♪梅は咲いたか桜はまだかいな♪などと歌う。風が止んでイイ香りがふりそそぐ。急いで深呼吸。しあわせな気分。


14(木)
今日の最高気温は20℃位だったようだ。裏の林の奥でウグイスの歌声がず〜っと響いている。周囲の草を抜いたネギ、ニンニク、玉ネギたちが勢いよく育っている。タンポポの花が幾つか咲きだしている。そのうちやたら元気よく咲くタンポポもこの時期は控え目に咲いている。本格的な春がやって来たようだが、どっこい明日は寒気がやってきて10℃も下がるんだって。体温調整をしっかりせねば。今年の梅の花、あちこちで随分見つけた。風がないのでそれぞれの花の香りもたのしめた。東京では梅の開花は新年早々からで寒〜い空気のなかに見つけていたが、ぽかぽかした陽気に咲く岩手の梅は桜前線に気をとられていると見逃しやすいが、梅を求めて歩くとそれぞれの個性に出逢える歓びは大きい。しかし一斉に咲きだす岩手の春はナントももったいない。


15(金)
熊本での激しい地震
こころよりお見舞い申し上げます


18(月)
このところの暖かさで数輪だったムスカリが群がって咲いている。去年咲いていた株を花壇の一ヶ所に植え直したのだった。移住直後に種子を庭に播き毎年楽しんでいた。一輪づつも愛らしいが集まって咲く風情もイイ。それに株の数も増えたようで大いに見ごたえがある青色が葡萄の房のようにしている。やっぱり写真に撮ると青の色合いが随分くすんでしまうようだ。オラの目でも存在感のある色に感じるのに残念だ。☆この数日家の中に閉じこもっていたが、ムスカリの群がる青の姿かたちに会い元気づけられたように感じている。林の奥からウグイスも明るい想いを届けてくれる。


21(木)
今日も元気に歌っている裏の林のウグイス。毎年その歌声をたのしく聞いているが、今年の歌声は最初から見事。ある年は、お〜い大丈夫か?調子がよくないんじゃないかい?と心配するほどだったりして多分ご近所の方々も微笑みながら応援。それが立派な歌い手になり誇らしげに練習の成果を披露したり、毎年たのしいサウンドだ。今年の子は最初から上手に歌い、我が窓辺近く姿を見せてくれた。その歌うときの嬉しそうな表情は歌声同様に愛らしかった。その声を聞きながらご近所を歩いた。梅はほとんど散ってしまい、この辺りは桜、木蓮、レンギョウなど花まつりだ。ケータイのカメラで桜の花の見事さは写真に撮ると半減してしまうのだ。暗い背景を探し、花に近づき背伸びして撮った。バックグラウンドにウグイスの歌をお届けできないのがナントも残念至極。


22(金)
随分小鳥たちが歌っている。辺りの芽吹きはじめた木にとまっているのも、空で飛びながら歌っているのも。『春じゃあ』と人間が感じるのとは異なる歓びなんだろうなあ。田植えの準備で土を耕したので、小鳥たちの餌にめぐまれて嬉しいのか、明るい歌声だ。先程見かけた赤い桜の蕾が膨らんでいた。あの赤色だと華やかさが広がるなあ。鳥たちもウキウキ歌う筈だ。あまり表情を変えない山羊も微笑んでオイラを見ているように見える。裏のウグイスの声が近づく。ご近所の黒わんこが誰かと戯れている声。春がどんどん広がっている。まさに『春じゃあ』、ひと際はっきりとウグイスの声が届く。


24(日)
雪がとけてから何回か施したニンニク、タマネギ、ネギへの肥料のせいで周囲の何種類の草達も元気にしている。この間抜いたはずなのに元気に育ち可愛い花を咲かせている。房のような茎からちいさな赤い花が咲いて、岩手に来てからよく見かけるが、名前は知らない。他にも白い端正なちっちゃな花をつけた草。それらが見事に畝を青々と覆っている。まだ緑色が少ないので今日の夕方まで観賞し、野菜の発育のため取り除こうと決心していると、裏の林でシャガレカラスと普通の声のカラスが喧嘩しているのか騒いでる。☆トム&ジェリース後期の音源を編集中。あがた森魚の♪永遠のマドンナK♪という楽曲。移住直後、この町のオナゴが「井上陽水が有名じゃない頃、何人かで花巻文化会館に来てたんだけど、メインではなく、え〜とメインは誰だったかな?思い出せない」と云ってた、そのメインが『あがた森魚』だったと気付き嬉々と店に飛び込んできたことがあった。この楽曲の録音ではピアノが助っ人で入っている。谷岡さんがマンドリンも弾いている。マウンテンプレーボーイスの大先輩、ジャイアント吉田さんからお借りしたマーティンだった。★お陽さんが林の向こうに沈む頃に、畑の土起こしをしてから草を抜いている時に一本のアスパラガスを掴み折っちまった。いよいよ出てきたかい!と挨拶をし、そのまま食べた。マイウ〜だ!食べ頃の大きさが二本、これは夕飯にしようっと。


25(月)
昨日草むしりのおかげでフレッシュなアスパラガスを食べられてご機嫌な食いしん坊の日常の殆どはパソコンの画面に映る波形に向かう音源編集ですぜ。そして今日は♪Handyman♪で失われていたタンバリンの存在が復活したのです。これは『草むしり』で旨いもんに出逢えたと同様にこころときめくことなのでチョイと説明しますね。ジェームス・テイラーとセクションの楽曲。元々、6年前に閉めた『カフェほうほう』の暇な時間にギターで歌ったものを録音してあったものに演奏を加えたものでがんす。昔テープレコーダに録音した音を再生しながら、もう一台のレコーダに録音する、所謂ピンポン録音で音を重ねていた要領を、録り込んだ音声ファイルをパソコンとデジタルで編集できるソフトを使うのでがんす。録り込む音声をパソコンのオーディオ回路を使わず(パソコンは頭のイイものですが、音は非常に粗悪なのです)、オーディオインタフェースという機械を通してファイルをつくり演算(編集)するのです。さぞかし大金か?と思われるかい?どちらも最安値のもので賄い、オーディオシステムにつなぎ聴いているのです。録り込む音声はオラの声とかオラの弾く楽器で、ストリングスなどはシンセサイザからラインで録る。『打ち込み』といわれるMIDI音源は使わず、デスクトップミュージックの代表的なDAWでもない、音源波形をマルチトラックで録音、編集できる単純な仕事をするソフトなのですよ。そして無駄な音を削ったら、埋もれて聞こえなかったタンバリンがひょっこり表れ喚起にひたっているんです。アスパラガスに出逢えたよろこびと編集中の音源に埋もれていたタンバリンとの出遭い。あなたに出逢えた幸運とおなじくらい嬉しいのです。長文にて失礼つかまつった。


27(水)
甘みが強く非常に美味しく感じたアスパラガスの株の周囲に、更なる期待を込めて肥料を施し土寄せをしながら、中学時代の恩師への大きな感謝を捧げている。このところ毎年行われている同期会の知らせを頂戴し、剣道に夢中になっていた当時が蘇る。小学二年生で学区外に引っ越したが、そのまま小学校に留まっていたので、中学の学友は皆見知らぬひとばかりだったので一層先生方の存在を大きく感じていたのだろう。もしあの英語の先生がいらっしゃらなかったら英語の歌をうたっていなかったろうし、あの音楽の先生とお逢いしてなければ、そもそも音楽の道に入っていなかったとも思えるのだ。☆英語の授業で習った単語をラジオから流れる歌の中に見つけ嬉しくおもいながらオイラは一緒になって歌っていた。そんな覚えたての歌を、剣道の練習場である体育館へ向かう廊下を大声で歌うチビ少年に「イイ音楽を聴きなさいね」と仰ってくれた音楽の恩師は、オイラが岩手に移住する直前に亡くなられお別れしてきた。クラシックの声楽を学ばれた先生が仰るイイ音楽とオイラが大声で歌う音楽を思うと笑ってしまうのだが今でもイイ音楽を聴いているのです。そして英語の恩師は「スポーツマンはフェアでなければいけない」と教えていただいた。心に響いている言葉だ。恩師の生き方が授業に反映し、そこから多くを学べた幸運に遅まきながら気付く歳になったのだと思いながらアスパラガスに土を寄せている。


30(土)
初めてタマネギを庭と畑で育てている。去年の冬に産直で売られていた小さな苗だったが大分丈も伸び葉も太くなっている。果たして地中に玉になっているのだろうか?様子を見に行ったが庭の隅にいる『うるい』の緑色が目に飛び込んできて方向転換。出ていた、出ていた。丁度食べ頃だあ。急いでキッチンハサミを取りに戻り、根元から切る。台所で洗い水に活け夕飯に頂戴しよう。後回しされたタマネギ、文句も云わずに待っていた。何回か周囲の草を取り除いたのでタマネギの畝らしく見えるが。玉っころにはなってないようだ。根元に土を寄せてやる。ついでに畑の草取り地上に出て来たアスパラガスの他にはネギ、ニンニク、タマネギだけ。草達が元気にはびこっていた野菜の畝も草がなくなり野菜達はのびのびしている。何処かでお囃子の稽古をしているようだ。その意気込み風に乗って届いてくる。