2015年 8月

 6(木)
♪毎日 毎日 オイラは鉄板の上で焼かれて厭になっちゃうよ〜♪って感じの暑さだ。★7月に放送したミュージックバードの番組を地元のコミュニティーFM関係者が聴かれてトムジェリのアルバム『日本民謡 in New Country』の音源が欲しいと依頼され、レコード音源は既になく、東京の方がレコードからコピーしたCD音源を更にコピーし渡す。☆ブログで『若い頃レコーディングしたが音源は摩耗して捨ててしまった』と書いたら「コピーして送りましょう」という有難い便りをいただき、音源を聴くことができるようになった。今回の放送で使用した音源はプロデューサーのひのきしんじさんの盤からコピーしたものだったが、ノイズがひどく聴けない楽曲もあるとか。★今夜から『つちざわ七夕』だ。ちょいと歩いてみようかな。


11(火)




この桃の実から実生で命をつなげるか、或いは実を摘み取って冬を待って枝と挿し木にするか迷っている。原因は判らぬが、去年の今頃に葉がすべて散ってしまった。今年は枯れてしまうと思っていたが、一本の枝だけに葉が茂り、ご覧のように実を付けている。果樹の実生は難しいようで素人には枝を差し木にする方法を選ぶべきか。★『雨乞い』になるかとトム&ジェリーズの二枚目のアルバムから♪かみなり♪を聴いていると、ホンのお湿り程度だが、雨が降りビックリ。桃の延命もつよく念じるべきか。


13(木)
夜明けて降り始めたし、明日はかなりの雨量になると予報。そんじゃあジャガイモを掘り上げようと早朝作業を始める。雨は直ぐに止みシャガレカラスがオイラの慌て具合をからかう。涼しかったのはほんの一瞬だった。流れる汗が眼鏡に落ちる。ミンミンゼミが一斉に大合唱。次々に段ボールの箱に放り込む。★汗を流しトム&ジェリーズの二枚目のアルバム『Human Being〜人間であること』を聴き直す。一枚目の『日本民謡 in New Country』と比べるとbassが引っ込んで、kickが目立つマスター。オイラが手を加えるとしたら40hz以下を削り、他は微調整だけだろう。このアルバムは作詞家の片桐和子さんの企画で、四季の移り変わりの自然音と、谷岡さんとオイラの書き下ろしの楽曲。詞は一曲(オイラの作詞)以外は片桐さんの作品。打ち合わせは出演中のライブハウスだった。カセットテープに録ったデモ音源と楽譜をお渡しする際に、ほんのちょっと言葉をかわしただけで録音だった。♪大安吉日♪ではひのきさんから「今日は弦楽四重奏が来て同録するからアレンジ頼むよ」急遽スタジオ内で冷や汗かきかき譜面を書いた記憶が蘇る。


14(金)
スピーカから流れるトム&ジェリーズの二枚目のアルバム『Human Being〜人間であること』を聴いているが、制作の過程が想い出せずにいる。加齢による物忘れもあるだろうが、アルバムのテーマが決まり、全楽曲を谷岡さんとふたりで作曲したが、その過程が想い出せずにいるのだ。非常に忙しい活動状況で、一日三ヶ所移動し月末には音楽誌の締切に追いかけられていた。ヴォーカリストとして2-beatでの『ノリ』という大きな課題、そして当時世界的に流行していた16-beatへの取り組みにもがいていた。そんな状況なのでスタジオでのリハーサルも出来ずレコーディングスタジオで数回のテイク後の録音だった。この頃の活動そのものが大いに勉強になった。この頃がなかったら今のオレは居なかった、毎日が真剣勝負だった。


15(土)
じーじのところで夏休みの宿題をやりたい、と孫が来た。算数の宿題が残っているようで、しばらく一人で頑張っていたが、気が付くと音源編集作業を覗きにやってきていた。時計を見ると一時間半経っている。オイラは絵日記以外は最後の一日でヤッツケテいた。もっとも岩手の夏休みは早く終わってしまうのだが、余り勉強ばっかりだと身体に悪いから(?)とプランコに誘い出す。ブランコ、大好き!風が気持ちいいよ、とご機嫌で漕いでいる。よちよち歩きの頃に落ちたブランコだが、怖い記憶は何処かへ飛んでったようで、オシャベリしながら漕ぎまくっている。多分、空の一部になったような気分なのだろう、風と仲良しになって歓びイッパイで漕ぎ、オシャベリは果てしなくつづく。☆夕方に迎えに来ると云っていたが、本人は帰る支度をしながら、泊まっていこうかななどと云っている。オレは疲れてしまった。


19(水)
息子の幼稚園時代からの友達S君が東京からやって来た。彼の訪問に合わせて休みをとった息子が連れてきてオイラも暫く楽しい時を一緒に過ごした。幼稚園の頃からよく遊びに来ていた彼は、オイラが岩手に移住しても何回か遊びに来ている。畑に採り残したジャガイモがあるぞ、と云うと掘り起こしてくれた。子供に戻ったような目の輝きだった。風に乗ってかぐわしい香りが届いてくる。葛の花が盛りのようだ。家から100mの処に咲く花を見に行く。道の両側の土手に赤紫の花がたくさん咲いて、甘酸っぱい香りがただよっている。社会にでて頑張っている様子も話してくれ、友達の父親の話にも真摯な眼差しで耳を傾けてくれる。時々「オジサン、麦茶を下さい」と家族のように話は盛り上る。


22(土)
トム&ジェリーズの二枚目のアルバム『Human Being〜人間であること』でオイラの作曲した楽曲に弦楽四重奏を入れるから譜面を書け、と云われたのは録音の直前で面食らったのを憶えている。弦楽四重奏なんてアレンジしたことないし、バイオリンはト音記号、ビオラはハ音記号、チェロはへ音記号で書く位しか知識も無い。元々ギター二本で歌い、途中からベースに入って貰う、というヘッドアレンジでいたがイキナリ弦楽四重奏を加えるからという指示。1コーラスが8小節のシンプルな楽曲なので余計アレンジしにくいが、谷岡さんにハ音記号の書き方を教えて貰い、何とか四重奏の方々スタンバイするまでに書き上げ、どのような響きになるのか気にしながら歌った。☆その弦楽四重奏の入った音源を聴いている。多分セカンドテイクの音、よく歌えたもんだ、としみじみ振り返っている。有難いことに、この様にトム&ジェリーズでは貴重な勉強の機会をたくさん頂戴していた。改めて大感謝。


23(日)
雨の後ミョウガを見に行った。少し枯れ始めているが、随分領土を拡大している。今年のミョウガは終りのようだ。ミョウガの奥に小さな白い花が密やかに咲いているのを発見、葉っぱに見覚えがある。これは自然薯だあ。するとこの花がムカゴになるのか。毎年、草が枯れたあとに、この辺りにムカゴを見つけたが花を見るのは初めてだ。直径2〜3oの白い可愛い花が連なって咲いている。この下の自然薯を想像して食いしん坊はニヤリ。☆この自然薯の葉は東京の家の近くの公園で見かけていた。山の土を加えて造られた花壇にバラのトンネルがあり、ツルをからませていて毎年ムカゴを見つけ、幾つか拾って『ムカゴご飯』で頂戴してた。☆じょにこも一緒に食べていたムカゴご飯。彼女の散歩コースだった公園、そこで出逢ったワンコ達を想い出す。★じょにこが居たからこそ出逢えたニャンコもいる。ある日、じょにこと歩いていたら、草むらからニャンコが飛び出てきてじょにこに抱きついたのだ。じょにこも、一緒にいた息子もオレも驚いた。こりゃ大変だ、とじょにこのリードを引っ張った。まだ、じょにこは小さかったんだなあ、空中に引っ張られてじょにこが飛んで、抱きついたニャンコも飛んでいる。こりゃ一大事だ、とオイラはニャンコを蹴飛ばした。草むらに落ちたニャンコが一目散に遠ざかるのを見ながら、息子もオイラも『じょにこ、大丈夫か』と声をかけるが、『今の、何だったの』ときょとんとしていたっけ。息子とオイラは思いっきり笑ったもんだった。


24(月)
去年のトマトのこぼれ種子から成長したトマトが元気に実を付けている。ラグビーボールの様に細長いアイコ。野菜を育てた最初の年に、大玉トマトをカラスに突かれて一騒動があってから、ミニトマトだけを育てているが、このアイコは甘い味のトマトでサラダ向き。この形を見て、高校三年生に盛り上がっていたラグビーを想い出す。我が高校の体育の先生は二人いらして、二人とも柔道とラグビーの猛者だった。三年になると受験目指して勉強ばかりするので、たまにはシッカリと身体を動かせと指導していて、お一人は柔道と剣道、もうお一人は一年間通してラグビー三昧だった。オイラ達は前段の『受験勉強』は余りせず、結果として東大への現役入学者ゼロという記録をつくったのだ。余り勉強をしないが、将来に向けての不安を体育の授業に思い切り発散させていた。オイラは何故かラグビーのキックが得意で遠くに蹴っていた。実戦では無謀にも何回もタックルしては脳震盪を喰らっていた。アイコを見て、足の甲でボールを蹴る快感が不意に蘇る。そして昨日紹介した、じょにこに抱き付いたにゃんこに向けて蹴った感触を思い出して赤面。そんなに強く蹴ってはいなかったが、遠くへ飛んでいってしまった。可哀想なことをした。猫もビックリしただろう。


26(水)
今日の最高気温は何と21℃、明け方は15℃だったぜ。寒い位で半袖、半ズボンはよして長袖、長ズボンだ。夕方前に小一時間ウォーキング。田んぼも穂が垂れて、色付き始めてる。オレの目では見えなかったが栗も実をつけていたって。萩もつぼみを付けている。昨夜から明け方に降った雨のせいで植物はみんな元気そう。往路は安俵城跡の中道、復路はひらけた田んぼに囲まれた道。ヤマモモの木の実が色付いて可愛い。地面に落ちた幾つかを拾う。こんな時は子供にかえったような歓びを感じる。☆ヤマモモをこの辺りではヤマボウシと呼んでいるのを最近知った。春先の山間に白い花を見つけると無口の方でも嬉しそうに「ヤマボウシが咲いている」と叫ぶシーンを何回か出逢い、長い厳しい冬が明けた独特の解放感なんだと移住者は思っていた。オイラはウルイとか蕗の薹に目が行ってしまう。拾った実を食べるとほのかに甘く、バナナのような感じがする。何回か、この実を食べれば、ネイティヴの方の様に春先の山の景色にヤマボウシの花を見つけてニタリとするようになりそうだ。


29(土)
御仏壇の、お水、花の水をかえてお香と感謝をささげる。東京を離れてから、親しい仏さまに向き合う機会が増えている。歳をかさねると多くの仏様との『つきあい』が始まり、地域に関わりがある先人たちの存在にも親しく感謝するようになっている。大切に思う方々に出逢えたよろこびは、その方々のご先祖さまへの感謝が自然にうまれる。そんだけ歳とったんだよ、ということかもしれないが・・・。石を投げても人に当たることのない程に人が非常に少ない処に住んでいると、こころのなかに居る仏様の有難さは募るようだ。そして食いしん坊は先ほど食べたコロッケのジャガイモやトマトのご先祖様に感謝のご馳走さまをする。数日涼しかったので静かだった林に蝉のこえが広がっている。蝉たちのご先祖様の存在すら感じはじめるのは、急に秋めいたせいなのか?


30(日)
今日も涼しい、昼前でも20℃に達してない。おまけにしとしと雨降りなので余計肌寒い。珈琲を淹れて飲んでいるが直ぐに冷めてしまう。☆稲の穂が垂れ、ほんのり色づき一層秋めく。一昨日の草刈りで『昨日』から全身筋肉痛(歳をとると筋肉痛も遅れるらしいが)。ヘッドフォンを外し、雨音が聞こえる程、スピーカの音を下げて音源編集。パソコンでの音源づくりも早いもので来年で10年になるが、7月のFM番組でトムジェリの懐かしい音源を聴いて以来、デジタルっぽい硬い音質から一層アナログの暖かいものへ移行しているようだ。必要以上に編集を加えた結果、飽和状態になっていたのも大分解消し、窓から聞こえてくる雨音、ジ―ジ― ツクツクホーシ ツクツクホーシという蝉の音、そんな自然の音楽堂に馴染んで聞こえている。おや、雨がやんだようだ。


31(月)
Because I’m still in love with you
I want to see you dance again(愛しているから君がもう一度踊るのを見たい)。Neil Youngの音楽が響いてくるのは、彼の言葉の選び方が大きい。この歌詞はHarvest Moonで繰り返され、冒頭Come a little bit closer, hear what I have to say(オイラの云うことが聞こえるように もっと近くにおいで)以降が響いてくる。大きな月の光のなかで、出逢えた幸運と育んできた愛の素敵さに感謝、祝福したいんだよ、と詠う。何十年も聴く度に感動がひろがる音楽。シンプルな曲想だが深みがある。間奏のハープ選びから反映した調の設定。★絶対に伝わりはしないと感じながらも、届けたい想いを言葉にする詩人。今日のHarvestはMoonはLong May You Runと続いている。バンクーバー・オリンピックでのソロ演奏を想い出す。このyoutubeでのCrazy Horseのサポートもイイ。